投資のまんが帖マンガでわかる投資入門 第1話から読む
申込用紙を手に驚くケンに、ジムが抽選箱を示す 第08話

LESSON 08 / IPO

IPOは、申し込んだら買える?

初めて上場する会社の株を例に、申込み・配分・購入と、公開価格・初値の違いを学びます。

4コマで読む

  1. ケン『アカリ設備、上場予定』だって! 知らせが来たってことは、今日から取引所で買えるな。

  2. ユイまだ『予定』って書いてあるよ。センパイ、上場前の募集に申し込む日と、取引所で買える日は別?

  3. センパイ取引所で注文するのは上場後。上場前に募集があるなら、取扱証券会社を通じて申し込めることがある。

  4. ジムまず上場予定日、次に証券会社の取扱いと申込期間。申し込めても、配分や抽選がある場合は別に確認だ。

この章でわかること

IPOのお知らせを見つけたユイ。株が買えるのはいつ、いくらから? 申込みと配分の流れを追い、公開価格・初値・実際の損益を一つずつ確かめます。会社名、日程、金額は読み方を学ぶための例です。

IPOを見つけた日、何が始まる?

  1. ケン

    アカリ設備が「上場予定」だ! いま取引所で買おうと思ったのに、銘柄が出てこないぞ。検索の仕方が悪いのか?

  2. ユイ

    お兄ちゃん、通知は「上場予定」って書いてあるよ。センパイ、今日できることと、上場してからできることを分けて教えて。

  3. センパイ

    取引所で注文できるようになるのは上場後だよ。会社が株式を公開して上場することをIPOと呼ぶ。上場前に公募や売出しがある場合は、取扱証券会社を通じて購入を申し込めることがあるんだ。

  4. ジム

    では二つの入口を並べましょう。上場前は取扱証券会社の案内、上場後は取引所での売買。予定の通知だけで次へ進まないように。

  5. ユイ

    上場する日と、募集に申し込む日は別なんだね。私が使っている証券会社に銘柄が表示されないのは、上場そのものが取り消されたってこと?

  6. センパイ

    その会社が上場前の募集を取り扱っているか、個別に確認しよう。取引所の一覧で上場予定日と銘柄を確かめ、証券会社の案内で取扱いと申込期間を見ると迷いにくいよ。上場後に取引する場合の条件も別に確認しよう。

ミニ確認 証券会社の募集案内に載っていなければ上場は中止?

その表示だけでは判断できません。上場予定は取引所の一覧、募集の取扱いは証券会社の案内で確かめます。

公募と売出しを仕分ける

  1. ケン

    公募も売出しも、俺には同じ「株が売れた」に見えるぞ。レジに入ったお金みたいに、全部まとめていいんじゃないか?

  2. ユイ

    IPOで会社が株を売ると、そのお金はみんな会社に入ると思っていた。ところが募集の表には「公募」と「売出し」の二つの欄があるよ。この区分は会社の事業にも関係する?

  3. センパイ

    新株を発行する公募では、発行会社が資金を受け取る。売出しは、既存株主が保有する株式を手放す取引として行われる。募集の全体が何株かを見るのと、会社に資金が入る部分が何株かを見るのは別の作業。目論見書の「手取金の使途」や売出人の欄も照合すると、資金の流れが分かる。

  4. ジム

    表を二色に分けましょう。株数は足せても、代金が向かう先が違う。次は、公募の数字だけで何が言えるかだね。

  5. ユイ

    公募の比率が高い会社のほうが、計画にお金をかけられて強そうにも見える。逆に、既存株主の売出しが多いと、逃げ出す準備のように感じるけれど。

  6. センパイ

    比率は質問を立てる材料。新株の資金をどんな用途に使うか、既存株主がどれくらい保有し続けるか、株式を市場に出す目的は何かを資料から読む。売出しが多いという一つの数字から、売り手の意図や上場後の値動きを断定することはできない。会社の説明と自分の推測は分けておこう。

  7. ユイ

    計算するときに「株数×購入する人の値段」で資金調達額を出していいの? その数字が会社の投資計画にそのまま使える金額なのかな。

  8. センパイ

    株数と価格から公募の規模を大まかに理解できるけれど、投資家が支払う価格と会社が実際に受け取る金額が同じとは限らない。引受価額や発行諸費用などが関係することがある。資金の使い道と金額を見るときは、目論見書で区分と単位をそろえ、会社の手取金として記載された額を参照しよう。

ミニ確認 公募30万株と売出し20万株があるとき、資金調達に対応する株数を表す欄はどれ?

新株を発行する公募の30万株です。最終的な資金の額や使い道は、別に目論見書の手取金の欄を確認します。

申し込む、配分を受ける、購入する

  1. ケン

    需要申告に100株と入れた。さあ、ノートの保有欄に100株と……まだ早いか?

  2. ユイ

    案内に「需要申告」とあるよ。ここで100株と書いたら、もう買えたの?

  3. センパイ

    この例では、需要申告は「この条件で何株買いたいか」を伝える段階。希望が集中すれば抽選などで配分され、希望した数量の全部が買えるとは限らないよ。

  4. ジム

    申込みのカレンダーに、希望を出す日、結果を見る日、購入の操作をする日を書き分けよう。上場日の丸だけでは足りないよ。

  5. ユイ

    抽選で当たった画面を見たら、その日はもう何もしなくていい?

  6. センパイ

    証券会社によっては、当選した後に購入申込みが必要だよ。期限のほか、どの時点で資金が必要か、補欠になったときに手続きがいるかも確認しよう。申込画面を開いた状態と、受付済みの状態は見分けてね。

  7. ケン

    16日に大きく丸! 新作アニメと同じだ。初日さえ覚えてりゃ乗り遅れない。

  8. ユイ

    上場予定日は16日。この日程例では、需要申告は7日の昼まで。9日の結果と12日の購入申込みの締切にも別の色で印をつけて。

  9. ケン

    カレンダーに丸が四つか。よし、横に『何をする日か』も書く。初回だけ録画する癖は、ここじゃ通じないな。

締切を先に見る IPOの日程例
  1. 7日 12:00需要申告の締切
  2. 9日 18:00結果確認開始
  3. 12日 10:00購入申込みの締切
  4. 16日上場予定

申込期間や必要資金は証券会社と銘柄によって異なります。

ミニ確認 9日に「当選100株」と出ました。先に何を確認する?

購入申込みが別途必要かと、その締切です。資金の用意や手続き後の受付表示も見ます。

申し込む前にそろえるもの

  1. ユイ

    先に締切を控えたよ。私は普段使っている口座があるし、案内に出ていた『需要申告』のボタンを押す日に、必要なことをまとめてすれば間に合うかな。

  2. センパイ

    口座が使えても、銘柄や証券会社によって準備がある。交付された目論見書や訂正事項を確認し、電子交付の契約が必要なら済ませる。どの時点で資金を用意するかも調べよう。書類を読む、入金する、画面から申し込む、受付を確認する。この四つに分けて準備すると、どこで時間がかかるかが見えるよ。

  3. ケン

    「締切は金曜」だけ書いて満足してた。書類を確認する日と、入金が反映されたかを見る日も入れとくよ。

  4. ユイ

    比較してみたら、一社は需要申告の段階から残高が必要で、もう一社は抽選までに用意すると書いてある。同じ会社のIPOなら手順も同じと思っていたけど、案内のどの言葉をノートに残せばいい?

  5. センパイ

    誰の案内か、何の手続きのために、いつまでに、いくら必要かを書こう。例えばマネックス証券の説明では、需要申告の際に所定の残高を用意する。SBI証券の案内では抽選日までに資金を用意する。実際には自分が使う会社の銘柄別の案内を開き、残高や買付余力を確認する時点まで確かめる。

  6. ジム

    私は銘柄名の横に取扱会社名も書く。違う会社の手順を一枚に混ぜると、締切が同じに見えてしまうからね。

  7. ユイ

    家で申込みを始めたら、書類は開けたけれど、最後の『申込みを確定』を押したか覚えていない。もう一度やる前に何を見たらいい?

  8. センパイ

    銘柄名、価格や数量、申込履歴、受付日時を確認する。選択した画面を見ただけで、送信済みにはならない。やり直しをする場合は、変更や取消しができる期間と操作を案内で確かめよう。以前の募集の操作や、別のサービスの受付時刻をそのまま当てはめない。

ミニ確認 振込が完了した通知だけで、申込みを受け付けてもらえたと分かる?

振込、口座への反映、需要申告の受付は別々です。取扱証券会社で買付可能額と受付状態を確認します。

仮条件と公開価格を見分ける

  1. ケン

    900円って出てるから、100株は9万円で用意しとけばいいな!

  2. ユイ

    仮条件は900〜1,050円。私は下限の900円で計算していいかな?

  3. センパイ

    仮条件は募集の途中で示される価格の範囲。確定した公開価格を別に見るよ。この会社の公開価格は1,000円と発表された。100株を取得する場合の代金は10万円だ。仮条件の範囲外で公開価格が決まる場合もあるので、需要申告の範囲や購入条件は銘柄ごとの案内を確かめよう。

  4. ジム

    公開価格の列と、口座から使える額の列を分けてくれたまえ。必要額が確定しても、残高だけでは払えるか分からないよ。

  5. ユイ

    口座に12万円あるから足りるよね。画面には「買付可能額8万円」とも出てるけど。

  6. センパイ

    別の注文に4万円を使う設定なら、今使える金額は8万円。表示の意味や入金の締切は証券会社の案内で確かめよう。買付可能額は他の注文などでも変わるよ。

残高が12万円でも、買付可能額は8万円
  • 口座残高12万円
  • 買付可能額8万円
  • 必要な購入代金10万円

残高から別注文の4万円を引いた計算例。必要額10万円に2万円不足します。

ミニ確認 公開価格1,000円で200株取得する場合の代金は?

1,000円 × 200株で20万円です。この例では費用は含めていません。

募集が重なったときの資金を数える

  1. ユイ

    二つのIPOに興味があるよ。口座の残高は15万円で、必要額は一つずつなら残高より少ない。申込期間が重なっていても、表示されている残高をそれぞれに使えるかな?

  2. センパイ

    残高と、その時点で取引に使える額は同じとは限らない。別の注文などに資金が割り当てられている場合がある。IPOの需要申告時、抽選時、購入時にいついくらの買付可能額が必要かも、証券会社の手順や取引状況で異なる。口座残高の表だけで判断せず、使える額と拘束の表示を見よう。

  3. ケン

    A社分として押さえられた9万円と、まだ使える6万円は別か。残高を両方の申込票に書いてたぞ。

  4. ユイ

    片方の必要額は9万円、もう片方は8万円だね。合わせると17万円だけど、確認する日がずれていたら同じお金を使える場合もありそう。いつ動いた額を記録するのがよい?

  5. センパイ

    同じ資金を複数の申告に使えるか、抽選や購入でいつ資金が拘束されるかは、証券会社のルールと日程に依存する。手続きのたびに最新の買付可能額を確かめる。自分の一覧には「必要額の概算」「いつ使えるか確認する日」「別注文で使っている額」を分けておくと、10万円を二回足すような見落としを減らせる。

  6. ジム

    資金の表には時刻も入れよう。同じ15万円と書いてあっても、資金が使える時間が違えば同じ表として比較できない。

  7. ユイ

    入金を済ませたのに、申込画面で反映が見えない。送金の通知があれば、証券会社には着金したとみなせるのかな。

  8. センパイ

    送金が処理された表示と、証券口座側で買付可能額に反映された表示は別だよ。反映時刻や扱いは、振込経路や時間帯などで変わることがある。締切直前に同じ操作を何度も繰り返すより、表示の確認先と問い合わせ先を整理しておこう。受付が済んだかは、最終的には証券会社の画面や案内で確認する。

ミニ確認 15万円のうちA社分9万円が拘束されているとき、B社分8万円にはいくら足りない?

使える金額は6万円なので、必要額まで2万円不足します。実際にいつまでにいくら用意するかは、銘柄ごとの取扱条件を確認します。

抽選、補欠、配分を読み解く

  1. ユイ

    300株を申し込んだのに100株だけ配分された。申し込んだ株数と購入できる株数が違うのは、私がどこか押し間違えたから?

  2. センパイ

    応募者の希望の合計と、証券会社が配分できる数量が一致するとは限らない。配分のルールによっては希望の一部だけを取得できる場合や、配分を受けられない場合がある。個人顧客への配分には各社の方針が関係するので、申告株数と結果として表示された株数を分けて記録しよう。

  3. ケン

    欲しい数を言う段階と、割り当てられる数が違うのか。300株と書いた申込票はそのまま、結果は別に100株と書こう。

  4. ユイ

    「補欠」と「当選」は、表示の感じが似ていて迷う。補欠だったら、しばらく待っていれば必ず当選に変わるのかな。それとも何かする期限がある?

  5. センパイ

    補欠は当選とは別の状態。補欠から購入に進む条件や、意思表示の期限があるかは取扱証券会社の案内次第だ。補欠繰上げがなく終了することもある。補欠の段階で予定代金を確定済みの保有株に入れず、結果が確定するまで「未確定」として記録しておこう。

  6. ジム

    配分の集計も、今回の自分の結果も、どちらも数字は数字だ。だが件数と株数を同じ意味で読むと見誤るね。

  7. ユイ

    過去の配分統計を見て、この証券会社では個人が多く受け取っていた。自分の今回の当選確率を、個人に配られた株数だけから推計できそうに見えるよ。

  8. センパイ

    配分結果と応募状況は分母が違う。個人への配分株数が分かっても、個々の応募者の条件や、今回は何人がどの数量を申し込むかまでは分からない。日本証券業協会の過去の公表は、配分状況を知る資料として読める。個別の当選確率と混ぜないのが大事だよ。

ミニ確認 申告300株、配分100株の状態で、購入代金はどちらの株数から考える?

購入する場合の金額は配分された100株を基準に考えます。残り200株は申告した希望であり、その結果で購入できる数量に含まれません。

当選から保有まで、画面の表示を追う

  1. ケン

    「当選100株」だ! もう買ったと思って、保有欄の合計に足しちゃったぞ。

  2. ユイ

    結果欄に「当選」と出たから、その日のうちに口座の保有銘柄一覧を開いた。でも会社名がない。もう買えたはずなのに、ただ表示が遅いだけかな。

  3. センパイ

    当選や配分の表示は、取得できる機会や数量が決まったことを示す。証券会社によっては、購入意思を期限までに改めて示し、代金などの条件を満たす必要がある。保有銘柄に反映される時点も別なので、案内で「結果」「購入申込」「保有反映」を追って確認しよう。

  4. ユイ

    当選しても購入しない選択肢はある? 放置したときにどう処理されるかも、同じ証券会社なら全銘柄で同じだと思っていいのかな。

  5. センパイ

    手続きや結果の扱いは、証券会社や募集の案内で確かめる。購入を希望しない場合に辞退操作が必要か、未申込の扱い、期限、今後の申込みに関する規定があるかも資料による。買う・買わないを決める前に、送信すると何が確定する画面なのかを見分けておこう。

  6. ジム

    当選の表示が華やかでも、舞台はまだ途中だ。次の操作がいるか、期限がいつかを先に読み直そう。

  7. ユイ

    当選の文字を見ると、せっかくの機会だから押さなきゃと感じる。けれど、募集条件が更新されていたら、申し込んだときの自分のメモと同じ判断になるとは限らないね。

  8. センパイ

    結果が出てから読むべき項目を前もって決めると、当選の喜びと内容の確認を分けやすい。確定価格、数量、代金、更新された目論見書、手続き期限。事業とリスクを読んで分からなかった箇所も見直す。結果画面は判断の材料の一つとして読み、別の事実まで証明するものと考えない。

ミニ確認 当選画面だけを保存しておけば、購入手続きの完了も確認できる?

当選と購入手続きは分けて確認します。購入申込が必要な場合は期限内に手続きを終え、受付や約定・保有の表示を所定の方法で確認します。

公開価格、気配、初値を分ける

  1. ケン

    朝の画面に1,100円! 1,000円で買う話だったから、もう利益が出たと書いていいか?

  2. ユイ

    上場日の朝、画面に1,100円と出た。公開価格が1,000円なら、もう初値で値上がりした?

  3. センパイ

    それは取引が成立する前の気配かもしれない。上場後に取引所で最初に売買が成立した価格が初値。表示だけで分からなければ約定や取引所の公表を見よう。

  4. ジム

    まず、その数字は気配欄か約定欄か。時刻も添えておけば、あとで初値や自分の取引と混ざらないね。

  5. ユイ

    じゃあ、あとで900円で最初の売買が成立したら、初値は900円だね。朝見た1,100円で売れたとは言えないんだ。

  6. センパイ

    そのとおり。公開価格1,000円で取得した100株を初値の900円で実際に売れた場合、差額は1万円のマイナスだよ。初値で売る注文を出しても、実際に成立した価格や数量を確認するまでは損益を確定できない。

100株を売れた場合の差額
  • 900円で売却−1万円
  • 1,000円で売却0万円
  • 1,200円で売却2万円

公開価格1,000円で100株を取得した場合の計算例。売買手数料・税金は含みません。

ミニ確認 画面に株価が出たら、その価格で全株売れる?

市場の注文状況などで変わります。成立した価格と数量を自分の約定明細で確認します。

上場日と初値がつく時点を分ける

  1. ユイ

    上場日は朝に会社名が一覧へ出たけど、約定価格の欄が空白だった。ニュースサイトには気配の数字が載っている。あれが初値なのかな?

  2. センパイ

    初値は、上場後に取引所で最初の売買が成立した価格。気配の数字は、その時点でどんな価格が示されているかを見る材料で、実際の成立価格とは区別する。最初の取引が成立するまで、初値を記入する欄は空欄のままだ。気配欄に金額が出ても、約定欄と取り違えないようにしよう。

  3. ケン

    じゃあ気配の数字だけ書き写して、空欄を埋めたつもりになるのはやめとく。最初に取引が成立した時刻も書くよ。

  4. ユイ

    午前中に取引がつかなければ、午後には必ず決まる? 上場日と「取引が最初に成立した日時」が違うこともあるの?

  5. センパイ

    売り注文と買い注文の状況によっては、上場日に初値が決まらず翌営業日以降になることもある。新規上場銘柄では、取引所が初値決定前の注文や気配の特別な扱いを案内することがある。具体的な条件は銘柄ごとの取引所の案内で確かめる。一般の銘柄と同じ注文が使えると決めつけない。

  6. ジム

    ニュースの見出しで「朝」とだけ読まず、資料に時刻を付けよう。上場日と初値が付く時点は二つの欄だ。

  7. ユイ

    朝のニュースで「買い気配」と報じられた銘柄なら、買いたい人のほうが多いのだから、私も有利に買えるという意味だと思っていた。

  8. センパイ

    注文の偏りは、そこから利益が得られることを示すサインではない。希望価格で買えるか、成立後にいくらになるかは別だよ。報道時点の気配、成立した最初の価格、その後の取引価格を、時刻を添えて分けて記録すると、朝の見出しを夕方の事実と混ぜずに済む。

ミニ確認 上場日、9時に気配が表示され、翌営業日に初めて約定した。初値と呼ぶのはどれ?

翌営業日の最初の約定価格です。上場日の気配は取引成立を示していないため、それ自体は初値ではありません。

注文が出せるかと約定できるかを確認する

  1. ユイ

    上場日に売ろうとして、証券会社の画面で普段見慣れた注文の種類が選べなかった。銘柄の取引に何か不具合が起きているの?

  2. センパイ

    新規上場銘柄の初値決定前には、取引所が注文の種類や気配の運用を特別に扱う場合がある。実際に利用できる注文や受付時刻を判断するには、取引所の銘柄別案内と証券会社の案内を確認する。不具合なのか規則による制約なのか、画面の注意文と情報源を一つずつ照合しよう。

  3. ケン

    注文ボタンが使えないからって、端末を再起動する前に案内を見ればよかったな。

  4. ユイ

    指値を出せると分かったら、その値段が画面に一度出ただけで、必ず自分の注文も成立している? 同じ価格で売った人がいたら私も同じ条件のはずだよね。

  5. センパイ

    指値は売買する価格の条件を指定する注文。画面上の価格が自分の条件に届いても、注文の到達時点、相手注文の数量や優先順位などにより成立しないことがある。取引状況で「受付」「一部約定」「全部約定」「失効」などを区別し、自分の成立株数を確認しよう。

  6. ジム

    画面の価格が条件に届いたところまでは観察。私の注文が約定したかは、取引状況を開いて確かめよう。

  7. ユイ

    売りたい株が100株あるのに一部だけ約定すると、残りがいつ消えるか迷いそう。今日出した注文が明日も自動的に残ると考えていいのかな。

  8. センパイ

    注文の有効期限や、成立しなかった残りの扱いは注文条件と証券会社のルールに依存する。取消しや変更の受付と、その完了も別の状態だ。画面で残数量と有効期限を確かめ、保有株数と注文中の株数を同時に見ると、売ったつもりで残している状態に気づきやすい。

ミニ確認 200株の売り注文のうち100株だけ成立した。費用等を除く売却損益は何株から出す?

実際に成立した100株から計算します。残りは未成立の注文と保有株として、注文画面や残高で別に確認します。

初値と自分の売却損益を分ける

  1. ケン

    初値が公開価格より30%も上だって! 実際に売った値段も見ずに、帳簿に3万円を足すところだった。

  2. ユイ

    ネットで「公開価格1,000円、初値1,300円、利益30%」と読んだよ。私が100株を公募で取得していれば、確実に3万円増えた計算になる?

  3. センパイ

    初値で100株を売却できた場合には、手数料や税などを考慮する前の差額は3万円。けれど、その初値が公表されただけでは自分の売却は成立していない。保有中は評価の数字、売却後は実際に約定した単価と数量に基づく損益、と分けて計算しよう。

  4. ユイ

    もし後から1,180円で売れたら、初値の30%という見出しからは大きく違って見える。税金や手数料の影響まで含めると、どこから確認するの?

  5. センパイ

    まずは自分の取引報告で、取得単価、売却の約定単価と株数をそろえる。次に、手数料や口座区分に応じた税の扱いなど、差額から何を調整する必要があるかを確認する。計算を説明するときは「費用などを除く」か「反映済み」かを書き、同じ数字でも範囲を混ぜないようにする。

  6. ジム

    記事の30%を使うのは公開価格から初値までの説明だね。私のノートでは、実際の取得単価と約定単価を並べるよ。

  7. ユイ

    公募で買えず上場後に1,350円で買った場合は、初値が公開価格より上だったとしても、自分の損益は別の話になるね。比較したい人はどの数字を使えばいい?

  8. センパイ

    あなたの出発点は取引所で自分が買えた1,350円。公募の1,000円を自分の取得単価に使うと、投資していない時点からの値動きを利益に混ぜることになる。同じ日の同じ銘柄でも取得経路と時刻が違えば成績は変わる。成績を比較するときは、計算の起点と終点を同じ定義でそろえよう。

ミニ確認 100株を1,350円で買って1,180円で売った人の、費用等を除く差額はいくら?

1株当たり170円の減少なので17,000円の損失です。公開価格や初値をその人の購入価格には使いません。

初値を見たあとの値動きも計算する

  1. ユイ

    例えば、公開価格より下で初値がついたのに午後には戻る場合や、初値が高かったのに午後に下がる場合もあるよね。どちらの動きを見たら、その会社を評価できるの?

  2. センパイ

    初値や午後の価格は、その時に市場で成立した取引の記録。価格だけでは会社の事業をすべて説明できない。目論見書や業績の資料と、取引の価格・出来高を別々に読み、何を材料にどこまで説明できるかを考える。短い期間の変動を、会社全体の良し悪しと直結させないようにしよう。

  3. ケン

    値が戻ったと聞いた瞬間、次も戻る絵ばかり描いてた。下がる場合も同じ大きさの欄を空けておくよ。

  4. ユイ

    買った価格を下回る場面が怖いから、値段が戻ったところを見て「心配なさそう」と思いたくなる。図に戻り方を描いて予測すればいいのかな。

  5. センパイ

    過去の動きの図は、値段がどのように変化したかを理解するのに役立つ。これからの値段が同じ順番で動くとは限らない。評価損が出たときに「戻る前提」で計算するより、複数の値段を仮定して、保有額にどの程度影響が出るかを数字にすると違いが分かる。

  6. ジム

    では三通りを同じ前提で計算しよう。どの数字でも、まだ持っている場合の評価額と、売れた場合の差は別欄だ。

  7. ユイ

    下がったケースだけを見ると怖さばかり増えるし、上がったケースだけだと都合よく考えそう。損益の練習はどういう順番にすればいい?

  8. センパイ

    購入価格を一つ決め、上昇、横ばい、下落の仮定を同じ幅などで置く。各ケースで株数を掛け、費用を除く差額を並べる。さらに、その価格が示されても注文の成立は別だと書き添える。結果を比べる目的は当たりを予測することより、変動幅が自分のメモにどう表れるかを学ぶことだよ。

ミニ確認 初値時点の評価が15,000円下がったあと、1,200円で売れたら費用などを除く差額は?

取得価格と売却価格が同じなら差額は0円です。途中の評価損15,000円を、最終的な売却損にもう一度加えることはしません。

初値の人気より、会社と条件を確かめる

  1. ケン

    平均がプラスなら、メニューの人気順みたいに上から全部申し込めばいいと思ったぞ。

  2. ユイ

    去年のIPOは「初値の平均がプラス」って記事があったよ。募集を見るたびに申し込めば似た結果になるかな。

  3. センパイ

    平均は一部の大幅上昇でも動く。集計された期間、件数、初値が公開価格を下回った銘柄の数も見よう。それに、希望した全部の銘柄が買えた場合の数字を、自分が実際に得た結果と同じには扱えないよ。

  4. ジム

    平均の一行に拍手する前に、何件あって、下回ったものがいくつかを見よう。私はまだ会社の事業を説明できないね。

  5. ユイ

    会社が何を売っているのか、まだよく分からない。いったん目論見書を開くところまでにするね。

  6. センパイ

    事業、リスク、募集条件を一つずつ確認しよう。申込みの締切、必要資金、値下がりした場合の差額もメモできる。理解できないところが残るなら、見送るという選択肢もあるよ。

ミニ確認 平均が+10%なら、この例では半分以上の銘柄が上がった?

上がったのは5件中2件です。平均と件数は別々に読みます。

見送りを含めて、一枚の確認票にする

  1. ユイ

    今までの情報を全部覚えようとすると、申し込むか考える前に疲れてしまう。上場予定を見つけたら、どんな順番で一枚にまとめればいい?

  2. センパイ

    会社名と銘柄コード、上場予定と取扱い、事業とリスク、価格と株数、必要額と期限、結果と購入手続きの六つに欄を分けてみよう。重要な情報に未確認があるなら、欄を空欄で終わらせず「どこで確認するか」を書く。買うという結論を出すためだけの票にせず、保留や見送りの理由も残せる形にする。

  3. ケン

    締切だけ覚えていた頃と違って、取扱いと資金の欄もできた。分からない欄は、確認する先を書いて残すよ。

  4. ユイ

    会社の事業の欄には「将来性がありそう」と書いたけど、それだと何を根拠にしたか後で分からない。いい欄の書き方はある?

  5. センパイ

    「工場向け温度センサーが主要製品と目論見書にある」のような確認事実と、「主要顧客の投資が遅れると売上に影響するかもしれない」のような自分の解釈を分ける。資料の見出しと日付を添えれば、別の日に同じ会社を見直すときも何を読み直すべきかが明確になる。

  6. ジム

    根拠のない「期待できる」では、あとで誰にも引き継げない。資料名と日付を添えて、未確認と分けておこう。

  7. ユイ

    誰かから「今日が締切だから急いで」と言われると、調べきれないまま次に進みたくなる。未確認の欄が残った時点で、何をしておけばいい?

  8. センパイ

    取引するかの判断と、学習として調べたことを分ける。資料を確認する時間が足りないなら、その理由をメモして見送る選択肢もある。終わった後に値動きを見て、判断が正しかったかを株価だけで採点せず、「確認できる材料をそろえられたか」を振り返る。次の銘柄にも使える学びになるよ。

ミニ確認 未確認の欄がある確認票を閉じる前に、何を一行足すと次回に使いやすい?

不明点の確認先と、いつまでに確かめられるかを添えます。確認できない場合は見送りや保留の理由を残すと、自分の判断を振り返れます。

この話のまとめ

IPOの公募・売出しでは、申込みから購入までに配分や抽選がある場合がある。上場後の初値は公開価格を下回ることもある。

ONE QUESTION

1問クイズ

公開価格1,000円のIPO株について、上場後に最初の取引が900円で成立しました。この900円を何と呼びますか?

正解と解説

初値

上場後の最初の成立価格が初値です。この例では初値が公開価格を100円下回っています。

出典・参考資料

株式や投資信託などは価格が変動し、投資元本を下回ることがあります。

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