投資のまんが帖マンガでわかる投資入門 第1話から読む
居酒屋でユイとセンパイが、店を二つに分けた絵を見比べる 第01話

LESSON 01 / 株の基本

株って、会社のひとかけら?

行きつけの居酒屋をきっかけに、株主になる意味と株価が動く理由を学びます。

4コマで読む

  1. ケンあの居酒屋を運営する会社の株を買えば、俺も持ち主だろ? よし、明日の開店に合わせて、揚げたての唐揚げを一皿、タダでもらおう!

  2. ユイお兄ちゃん、株は唐揚げの引換券じゃないよ。センパイ、唐揚げを頼むのと株を買うのとで、何が違うの?

  3. センパイ唐揚げを頼んで代金を払えば、料理を受け取る。株を買えば株主だ。店の料理をタダで食べられるわけじゃない。

  4. ジムでは唐揚げはお品書き、株は株主の欄へ。配当が出るか、株価が下がるかは、料理の値段と分けて考えよう。

この章でわかること

商店街の居酒屋を運営する会社を例に、株主になる意味、発行と売買のお金の流れ、注文から受渡しまでをたどります。後半では株価と配当、会社の業績や現金、費用と税を別々に読み、損失が家計に与える影響を計算例で考えます。

株主になると何が変わる?

  1. ケン

    この居酒屋を運営する会社の株を買ったら、俺も持ち主の一人だよな。じゃあ、揚げたての唐揚げを一つつまんでもいいだろ。

  2. ユイ

    待ってお兄ちゃん。その唐揚げはお店の商品だよ。センパイ、唐揚げを頼むのと株を買うのとでは、受け取るものはどう違うの?

  3. センパイ

    唐揚げを頼んで代金を払えば、料理を受け取る。株を買えば、会社の持分の一部を示す株式を保有して株主になる。議決権のある株なら株主総会で意思を示せるし、会社が配当を決めれば条件に応じて配当を受け取れるよ。

  4. ジム

    ではお品書きと株主のノートを並べましょう。唐揚げを勝手につまめないなら、株主として何ができるか、揚げ場のフライヤーや売上を例に整理できますね。

  5. センパイ

    お店の設備や売上は会社のものだよ。株主が持つのは株式に伴う権利。保有中の株価は変わるし、会社の業績が悪化すれば、配当が減ったり買った値段を下回ったりすることもある。

ミニ確認 株主はお店のフライヤーを自由に使える?

使えません。設備は会社が所有し、株主は株式に伴う権利を持ちます。

株を買ったお金はどこへ行く?

  1. ケン

    この株を買った代金、あの居酒屋の二号店の足しになるだろ。おつりはいらないぞ。

  2. ユイ

    唐揚げの代金はお店に入るよね。でも、株を取引所で買っても必ず会社に入る? センパイ、新しく株を出す場合と分けて教えて。

  3. センパイ

    会社が新しく株を発行して資金を集める場面と、すでに発行された株を投資家同士で売買する場面を分けよう。後者なら、代金は通常、株を売った人に渡る。取引所での普段の売買は後者の例だね。

  4. ジム

    お金の行き先は注文の場面によるわけですね。では練習画面を見ましょう。表示の850円だけあれば、一単元を買えると思いますか?

  5. センパイ

    上場内国株式は通常、100株が1売買単位。1株850円で100株がすべて成立したら、代金は8万5,000円だよ。1株などで買える証券会社の単元未満株サービスもあるから、対応銘柄や手数料、注文条件を確かめよう。

  6. ケン

    この帳簿の左が、開店のとき店に入ったお金。右は空欄か。株が売れるたびに店の左欄が増えたら、唐揚げを揚げなくても商売になるな。

  7. ユイ

    都合がよすぎ。新しく株を出したときのお金は会社へ。もう出ている株を売ったときの代金は、ふつう売った人へ。お兄ちゃん、帳簿に二本、別々の矢印を引いて。

  8. ケン

    おう。店の通帳に入るお金と、持ち主同士でやりとりするお金。……味見代も別の欄にする?

1株850円。100株買うと?
1株の想定価格
850円
1売買単位
100株
購入代金の目安
85,000円

上場内国株式の通常の売買単位を使った計算例。手数料は含めていません。

ミニ確認 すでに発行された株を取引所で買うと、代金を受け取るのは誰?

通常はその株の売り手です。会社が新株を発行する場面と分けて考えます。

新株が増えた日と、持ち主が替わった日

  1. ケン

    二号店は建設費2,000万円か。新しく株を売って集めたお金は建設に回せそうだ。でも俺が取引所で持ち主から買う代金も、新しいフライヤーの足しになるのか?

  2. センパイ

    新たな株式が発行され、会社が発行対価を受け取る場面は発行市場。すでに出回っている株式を投資家同士で売買する場面は流通市場。流通市場で株を買うと、代金は通常、その株を手放した売り手への支払いになる。証券会社を通じて取引しても、株式を発行した会社が毎回代金を受け取るわけではない。

  3. ジム

    目論見書では『公募』も『売出し』も、同じ舞台に並ぶことがありますね。どちらの代金も会社へ、と説明してしまいそうです。どこで見分けますか?

  4. センパイ

    典型的な株式公開の募集では、新株の公募と既存株主の売出しが併用されることもある。会社が手にする発行代金の使い道と、既存株主が保有株を手放す取引を分けて目論見書で読むと、お金の行き先が見えてくる。公募の金額を見ても、払込金額や諸費用などを区別せず会社の手取りを断定できない。

  5. ユイ

    投資家同士の売買なら会社に売買代金は入らないけど、買いたい人と売りたい人がいる市場は意味があるよね。買ったあとに売る相手が見つかるかどうかは、私にとって大切。株価がついていれば、すぐ希望の金額で売れるのかな?

  6. センパイ

    市場は取引機会や価格の目安を提供するけれど、希望の数量と価格でいつでも売れるとは限らない。相手の注文が少ない銘柄では少量でも価格が動きやすい。気配値、売買高、注文の並びを別々に確認するのはそのため。株価の表示は、その価格で全数量が売れると約束するものではないよ。

ユイとセンパイが、二つに分けた居酒屋の絵で会社の持ち分を考える
ミニ確認 市場で一株900円の株を買うたび、会社に900円が入りますか?

既に発行された株式の売買では、通常は売り手に代金が渡ります。会社の資金調達としての発行とは区別します。

株価と会社全体の評価額を比べる

  1. ケン

    株価850円なら、財布に850円あれば足りる。なのに注文の数量欄は100株だ。値札と個数、どっちを見誤ったんだ?

  2. センパイ

    国内の取引所に上場する内国株式は、売買単位が100株に統一されている。株価は一株当たりで表示されるから、一単元を買う売買代金の目安は株価を100倍する。一部の証券会社は単元未満株の取引サービスも提供する。少ない株数で買える代わりに、注文できる時間や価格の決まり方などはサービスごとに異なる。

  3. ユイ

    一株2,500円の会社と850円の会社を見比べると、850円のほうが会社全体として小さく、割安だと言いたくなる。数字のケタだけでは、発行済株式数が多い会社と少ない会社を比べられないよね。ケーキを何切れにしたかで一切れの大きさが変わるイメージ?

  4. センパイ

    時価総額は、一般に株価に発行済株式数を掛けた会社の株式全体の市場評価。個別銘柄の一株価格とは意味が違う。株式分割で一株が二株になるなら、ほかの条件を一定にした理論上、一株の価格は半分になり、持つ株数は二倍になる。分割の前後で一株価格だけを比べると、値下がりと誤解することがある。

  5. ジム

    支払額を株価×100株だけで出すと、手数料の欄が取り残されますね。少ない株数で買うサービスなら、売るときの条件や手数料、単元未満になった場合も確認したいところです。

  6. センパイ

    注文前は株数、注文価格、手数料、執行条件、口座区分を並べて見よう。売買代金は約定単価×約定株数で、実際の支払額は手数料などで変わる。少額サービスで一株ずつ集める例でも、議決権の単元や優待の保有条件は別の確認項目。少額で試せることと、権利が同じであることを結び付けないのが大事。

ミニ確認 850円の表示を見て、通常の取引所取引で一単元を買う代金はいくらと見積もりますか?

内国株式の一単元を100株とすると85,000円です。実際には約定価格や手数料も確認します。

注文、約定、受渡しを分けよう

  1. ケン

    『受付済み』だ。よし、俺も株主! ……でも練習画面の持ち株にはまだ出てないな。

  2. ユイ

    受付の番号は出てるけど、成立した株数が見当たらないよ。センパイ、この二つはどの画面で見分けるの?

  3. センパイ

    注文が受け付けられた後、相手の注文と条件が合って売買が成立することを約定という。注文した株数の一部しか成立しない場合もあるから、受付画面と約定の明細を分けて見よう。

  4. ジム

    次は注文の条件を試しましょう。買い指値900円なら上限は見えますが、成立の約束はない。価格を指定しない成行では、どこが変わりますか?

  5. センパイ

    買いの指値なら900円以下での成立を狙う注文で、条件に合わなければ買えない。成行は価格を指定しないため、想定より高い値段で買うこともある。成立後、代金と株をやり取りする受渡しの日も取引明細で確認できるよ。

ミニ確認 200株注文して100株だけ約定した。成立したのは何株?

100株です。注文の受付と、売買が成立した株数は別に確認します。

注文板の一段目で何株まで買える?

  1. ケン

    画面に1,000円とあるから、通販のカートみたいにその値段で確保できると思ってた。受付、一部約定、約定。どの時点で何株買えたと見ればいい?

  2. センパイ

    受付は証券会社が注文を受けた段階で、注文の条件と相手の注文が合って取引が成立することを約定という。一部約定では注文した株数の一部だけが成立している。残りの扱いは注文条件や有効期限に従うので、取引状況と取り消しの可否を画面で確かめよう。

  3. ユイ

    たとえば「1,000円までなら買いたい」と決めたら、1,000円の買い指値。画面の現在値が1,000円に触れたのに私の注文が残ることもある? チャートではその値段で売買されたから、同じ金額で出した全員が買えたように見える。

  4. センパイ

    取引所では価格優先、同じ価格では時間優先などのルールで注文を突き合わせる。一例として、自分より前に同じ価格で買い注文が多く並び、売りの数量が足りなければ、そこまで順番が回らないことがある。寄付きなどの板寄せでは一度に注文を集めるので、詳しい成立ルールは取引所の説明を参照しよう。

  5. ジム

    成行なら手軽だと勧めたくなりますが、画面の表示が古かったり売り注文がまばらだったりすると、見込んだ価格とずれそうです。数量を間違えても、成立してから直せるとは考えない方がよさそうですね。

  6. センパイ

    成行は価格を指定せず、売買の成立を優先する注文。希望と離れた約定もあり得るし、特別気配や値幅制限などの状況ではすぐ約定しない場合もある。指値は価格の条件を付けられる一方、取引が成立しないこともある。どちらも一長一短があり、「どこまでの価格を許容するか」「今成立させる必要があるか」で整理できる。

ミニ確認 注文が「一部約定」になった場合、すべての株数を買えましたか?

買えたのは成立した株数です。残りの注文、有効期限、成立した単価は取引画面で確認します。

一つのニュースで株価が逆に動く日

  1. ケン

    居酒屋チェーンの売上が去年より20%増えたってさ。店をやってた俺なら祝いの一杯だ。でも同じように増収を発表した会社の株が下がったと聞いた。見出しのどこを読み違えたんだ?

  2. センパイ

    売上の変化は会社の結果、株価は買いたい人と売りたい人が取引した価格。たとえば市場では売上30%増を見込んでいた投資家がいたかもしれない。人件費や原材料費が増え、利益の見込みが弱かった可能性もある。一つの理由を決めつけず、発表資料で実績と会社の見通しをまず分けて読む。

  3. ジム

    『決算は好調!』と掲げる前に、見出しの後ろに条件を足しましょう。売上か利益か、通期か三か月か。どの資料のどの欄なら確認できますか?

  4. センパイ

    比較するなら、年度や対象期間、連結か単体か、前年比か会社予想比かをそろえる。決算短信のサマリーと説明資料で「どの項目」「どの期間」「なぜ変化」とノートの列を作ると、事実と解釈が離れるよ。営業利益と最終的な純利益も、特別な損益や税の影響で違う動きになる場合がある。

  5. ユイ

    ニュースのあとに株価が下がる理由を探すとき、会社発表だけでなく、市場全体が下がったか、同じ業種も下がったかを見ておけば、一社だけの事情と誤読しにくいね。証拠として確認したものと、「そうかもしれない」という仮説を分けて書いてみる。

  6. センパイ

    いい整理。株価には会社の状態に加え、景気や金利、為替、投資家の売買の事情などが重なる。似た時刻に起きた出来事だけで原因は確定しない。価格が動いた方向と、あなたが確認した資料から言えることを別の一文にしよう。「事実」「考えた可能性」「まだ確認できない点」の順に書くと冷静に読み返せる。

  7. ケン

    お、唐揚げ。売れた皿の数を数える前に、一つぐらい味見してもいいだろ?

  8. ユイ

    だめ。お兄ちゃんがつまんだ分にも仕入れ代がかかってる。売れた数と使った材料、両方ここに書いて。

  9. ケン

    売上の欄だけ見て浮かれてたな。まず費用の欄を埋めるよ。皿は帳簿を閉じてからだ。

ミニ確認 売上が伸びた資料を見たとき、利益も同じ割合で増えたと判断できますか?

費用が変わるため判断できません。同じ期間の営業利益や利益率、増減の説明を別に確かめます。

会社を読むときにお金の流れを三つ見る

  1. ユイ

    居酒屋を運営する会社が「売上が好調」とお知らせしていた。唐揚げの注文が増えたと聞くと、口座のお金も増えた気がする。仕入れの代金を先に払ったり、店舗の改装で大きくお金が出たりしたら、会計上の利益と現金の増え方は同じにならないのかな。

  2. センパイ

    会社の事業の状態を知る入口は、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書。損益計算書は期間内の収益と費用、貸借対照表はある時点の資産と負債など、キャッシュ・フロー計算書は現金の動きを示す。増収、利益、現金残高のどれを言っているか分けるだけで、見出しの読み方が変わる。

  3. ケン

    店に1,000万円の設備を入れたとき、払った日に現金は減った。でもフライヤーも内装もその月で使い切るわけじゃない。現金が出た記録と、損益に出る費用の見方が別なんだな。

  4. センパイ

    設備の取得は投資活動の現金支出になり得るし、費用の認識は会計上の取扱いに従う。設備投資があって現金が減るからといって、それだけで事業が不調とは言えない。逆に、現金が増えた理由が借入なら営業で稼いだとは言えない。会社が何の活動で資金を増減させたかを三つの区分で読もう。

  5. ジム

    A社の利益がB社より大きい、というところで拍手をもらうには早そうです。会社の大きさをそろえるために利益率を見て、店が増えたなら既存店と新店も分けて見たいですね。

  6. センパイ

    指標の比較には、対象期間、業種、規模、会計基準、会社独自の指標の定義などが関わる。資料が詳しければ、同じ基準で並べて比較する。開示がなければ推測で数字を埋めず「確認できない」と書こう。何を確かめるために表を見ているかを一つずつ決めるほうが、指標の暗記より役に立つ。

ミニ確認 会社の現金残高が増えたとき、営業活動で同額を稼いだと言えますか?

借入や資産売却などでも現金は増えます。キャッシュ・フローの区分と会社の説明を確認します。

株価と配当の数字を読み分ける

  1. ケン

    増収なら株価も上がると思って祝うところだったのに、画面は下げだ。売上が増えた話、聞き違えたかな。

  2. ユイ

    売上の発表と株価の動きは、両方合っているかもしれないよ。センパイ、次に決算のどこを見る?

  3. センパイ

    売上が伸びても仕入れや人件費が増え、利益が減る場合がある。決算では売上、利益、会社の見通しを分けて見よう。市場がもっと良い結果を見込んでいれば、発表後に株価が下がることもあるよ。

  4. ジム

    では配当利回りにも同じ確認を。上がったのは配当そのものか、それとも分母の株価が下がった結果か。表を二列に分けましょう。

  5. センパイ

    そうだね。配当利回りは年間の1株当たり配当金を株価で割った割合。配当の予想と確定額を区別しよう。株主優待は株数や保有期間などの条件があり、配当と別に変更・廃止されることがあるよ。

配当予想は20円のまま。利回りだけが変わる
見る数字株価が1,000円株価が800円
年間配当予想/1株20円20円
予想配当利回り2%2.5%

予想配当利回りは、1株当たりの年間配当予想を株価で割った値です。

ミニ確認 配当利回りの上昇だけで、配当が増えたと言える?

言えません。1株当たり配当と、計算に使った株価を確かめます。

配当金と優待券を別の欄に書く

  1. ユイ

    今度は、配当がある会社と、食事券の優待がある会社を並べたよ。紙に「受け取る予定のお金」と「使えたら減る支出」を別々に書くと、前は同じだと思っていた数字が違って見える。配当も会社が発表したばかりなら、まだ予想かもしれないよね。

  2. センパイ

    配当欄は、一株当たりの金額と、予想か確定かを確認しよう。優待欄は、自分が受取条件を満たすか、実際に使う予定があるかを書く。会社から現金が入ることと、店で支払う現金が減ることは別だから、優待券の額面をそのまま利益とみなさないよ。

  3. ケン

    3,000円分の食事券だ! でも近所に店がなかったら使いにくいし、『半年持った人だけ』って書いてある券を来週の宴会の勘定に入れちゃだめか。

  4. センパイ

    優待は会社が設ける制度で、実施しない会社もある。対象の株数、継続保有期間、基準日、有効期限、利用条件を会社の最新の公表資料で確かめる。配当の決定や優待変更といったお知らせは時点も大事。検索結果の抜粋や、前年に届いた券の写真だけで現在の条件を推測しない。

  5. ジム

    日付の欄も落とし穴です。基準日の朝に買えば間に合うと思いがちですが、買った日と受渡日は別。会社の基準日と売買カレンダーを、同じページに写しておきましょう。

  6. センパイ

    国内株式の通常の取引では、売買成立日から起算して三営業日目が受渡日。対象になるには、権利確定日に株主として扱われるよう取引を間に合わせる必要がある。具体的には権利付最終日と権利落ち日を取引所や証券会社の資料で確認する。休日を挟むので、単純にカレンダーの日数を引かず営業日で数えよう。

ミニ確認 券面3,000円の優待券を1,000円分使って残りが失効した。予定の食事代は何円減る?

使った1,000円分です。券面の総額と、実際に減った支出を分けます。

売る前の数字と売った後の数字

  1. ケン

    100株を一株1,000円で買って、いま1,200円なら2万円もうかったな。レジの帳面みたいに書きたいけど、まだ売ってない分を現金と同じ欄に入れていいのか?

  2. センパイ

    その時点の株価で見積もった評価額が120,000円、取得代金との差が20,000円。まだ売っていないなら、将来の売却価格や受取額が確定したわけではない。持っている間の評価の差を評価損益と呼び、売って結果が確定した差は実現した損益として分けて捉えると分かりやすい。

  3. ユイ

    持っている間に500円の配当を受け取り、売るときに合計200円の手数料がかかったなら、その二つも損益には関係するよね。画面には売却だけの利益と、保有中の受取りを含めた結果が別々に並びそう。数字が違う理由を、口座の不具合だと決めつけないようにしたい。

  4. センパイ

    資産全体の結果を見るなら、売却代金、買付代金、保有中に受け取った金額、費用を並べる。現物取引の単純な税引前の記録なら、売却代金から買付代金と費用を引き、受取りがあれば足す。税計算の取扱いは口座、所得の種類、申告状況で異なるから、計算練習と申告手続きは区別しよう。

  5. ジム

    一括で買った例はすっきりしていますが、買い増したあとに最初の価格を全部に掛けると数字が合いません。一部だけ売ったときも、証券会社の記録と自分の計算を照らし合わせるところまでを確認に入れましょう。

  6. センパイ

    実際の記録には取得の履歴、株数、費用、口座の年間取引報告書などを残そう。同一銘柄を複数回買った場合の取得価額の取扱いを、実際の申告で手持ちの計算方法だけで決めない。ノートの目的は、何が数字を動かしたか理解すること。報告書は口座がどのように処理したか確かめるための別の資料になる。

ミニ確認 株の評価損益がプラスなら、その金額をもう現金で受け取ったことになりますか?

評価損益は保有中の見積りです。実際の売却代金や受取額は売却や受渡しなどを確認してから区別します。

口座の違いと税の数字を読み違えない

  1. ケン

    一般、特定、NISA。名前が違うと株の安全さまで変わる気がした。でも同じ値段で同じ株を持つなら、口座を選んだだけで株価は動かないよな。

  2. センパイ

    口座区分は、主に課税や報告の仕方に関わる。一般口座は原則として自分で取得費などを計算する。特定口座では金融機関が一定の計算をして年間取引報告書を作成する。特定口座には源泉徴収の有無による区分もある。NISAは対象商品の利益を非課税にする制度で、商品そのものの値下がりを防がない。

  3. ジム

    税率の見出しだけなら私も読み飛ばしかねません。10万円で買って12万円で売ったとき、12万円を掛け算の土台にするのか、費用も確認して利益を出すのか。まず数字の名前をそろえましょう。

  4. センパイ

    個人の上場株式等の譲渡益に対する税率は一般に20.315%。税の計算は売却代金全体ではなく、取得費や売却手数料などを考慮した譲渡益が基礎になる。制度、口座や申告状況などで扱いが変わることもあるから、自分の税額を概算例だけで決めず国税庁の説明と報告書を確認しよう。

  5. ユイ

    A社で利益、B社で損が出たとき、同じ年なら必ず自動で合計されると思っていた。別の証券会社の取引を混ぜたら、片方の会社だけでは両方を把握できないよね。そもそもNISAで損が出たときは、課税口座の利益と同じ扱いをするのかな。

  6. センパイ

    課税口座で生じた上場株式等の譲渡損失は、要件を満たし確定申告することで一定の配当所得等と通算したり、翌年以後三年間の繰越控除を利用したりできる場合がある。NISAの売却損は税務上ないものとして扱われ、課税口座の利益との通算や繰越控除はできない。手続きが必要な場面を口座ごとに分けよう。

ミニ確認 NISAの売却損を課税口座の株式売却益から差し引けますか?

NISAの売却損は課税口座と損益通算できません。課税口座の扱いも別に要件を確認します。

買う前に損失を円で考える

  1. ケン

    『20%』だけ見ると小さく感じるな。店の勘定だと、何円動いたかを出すまで安心できなかったけど。

  2. ユイ

    じゃあ家計の表に書けるよう、金額に直そう。センパイ、買った分が何円下がるか、どの数字から計算する?

  3. センパイ

    購入額に下落率を掛けると、大まかな評価損がわかる。株数が増えれば損失額も大きくなるよ。評価損益は保有中の見積もりで、売却したときに成立した価格や手数料などで手元に残る額が決まる。

  4. ジム

    会社名をたくさん並べた表も見栄えはしますが、景気や原材料費にそろって弱い会社を集めたら、同じ日に下がる可能性がありますね。名前の数以外に何を照らし合わせましょう?

  5. センパイ

    銘柄数のほか、業種や地域、投資額の偏りも見よう。まず近いうちに使う生活費などと分け、銘柄コード、株数、金額、注文方法、口座区分を照合する。税金は課税口座とNISAで扱いが違うから、確認するときは口座名も書こう。

20%の値下がりを円で見る
  • 購入時100,000円
  • 値下がり後80,000円

10万円で買った株の評価額が2万円減る計算例。手数料・税金は省略しています。

ミニ確認 保有中の評価損と、売却後の損益はいつも同じ?

違います。売却価格や費用が変わる場合があり、実際の損益は取引明細で確認します。

買い増すと平均単価と損失はどう変わる?

  1. ケン

    楽しそうな会社だと上がる話ばっかり考えるな。一株1,800円で100株の例なら、買う前に20%下がったとき何円減るか、レジ横のメモみたいに書いとこう。

  2. センパイ

    買付代金が180,000円なら、20%下落で価格は一株1,440円、評価額144,000円、差は36,000円。半分になる場合は90,000円の評価差になる。割合と円の両方を並べると、自分が使う予定の資金とは別に考えやすい。使う時期が決まっている資金では、必要な日に下落している可能性を具体的に考えよう。

  3. ジム

    36,000円を見た途端に、家電の買い替え代まで思い浮かびました。『戻るまで持てばいい』という台詞には、必ず買値に戻る根拠が付いていません。下がった理由から確かめるべきですね。

  4. センパイ

    値下がり後に値上がりする保証はないし、業績や競争環境が変わることもある。価格を決めて売る注文を入れても、急に価格が飛ぶと想定どおりの取引にならない場合がある。条件付き注文の有無やサービスの約款は確認できるが、設定した金額で必ず損失が止まるとは考えない。

  5. ユイ

    値下がりしてから「もう少し買えば平均が下がる」と勧められたこともある。平均取得単価の数字が下がっても、同じ会社に投入する総額は増えるよね。買う前より損の可能性が小さくなったような言い方に聞こえて、気になった。

  6. センパイ

    単価と総額は別の変化。平均取得単価が下がっても、保有株数が増えると、その後の株価変動一円当たりの評価額の変化は大きくなる。資産全体に占める一社の割合、手元資金、当初の根拠に変化がないかを見よう。損を早く取り戻したい気持ちと、追加する合理的な理由は別の列にしておくと点検できる。

ミニ確認 平均取得単価が下がると、その銘柄の将来の損失額も必ず減りますか?

保有株数や価格の変動で損失額は変わります。総投資額と株価が下がった場合の円の金額を見ます。

一社への集中と、似た会社を持つこと

  1. ケン

    居酒屋チェーン、揚げ物の専門店、冷凍食品メーカー。三社に分けたぞ。でも食用油が値上がりしたら、どこも仕入れに響きそうだ。俺も店をやってた頃は困ったよ。会社名が三つで安心していいのか?

  2. センパイ

    分散は保有する名前の数だけでは測れない。収益が左右される事業、地域、通貨、原材料、景気の局面などが似ると、同じ理由で動く可能性がある。会社ごとのリスクは薄められても、市場全体が下がるときは影響を受け得る。保有する会社の名前と、共通する値動きの理由を別の表に書こう。

  3. ユイ

    100万円の資産のうち、75万円を一社に置いて、残り25万円を四社に分けると、「五社に分散」と聞こえる。でも最大の一社が20%下がれば、その一社だけで15万円も動く。数より先に比率を見たほうが、自分の資産全体に何が起きるか計算しやすいね。

  4. センパイ

    株式に限らず、資産全体を考えるときは時価の比率を見る方法がある。最初は均等に持っても、一部だけ値上がりして比率が偏ることがあるよ。過去に違う動きをした組み合わせが、今後も違う動きを続けるとは限らない。現在の比率と価格が動いたときの資産全体への影響を見える形にすると、偏りを発見しやすい。

  5. ジム

    会社数を増やせば、決算や権利日を確かめる手間も増えます。投資信託なら章を移って、保有する株や比率の調べ方を見ましょう。商品名が違っても中身が重なることはありそうです。

  6. センパイ

    そう。個別株と投資信託は、中身の把握、費用、注文の仕組みが違う。商品名だけで分散の程度を判断せず、運用方針や組入比率を見て確認する。特定の方法を選ぶ前に、使う時期と、どのリスクを何によって抑えたいかを言葉にしよう。目的を書けば、商品を比べる軸がぶれにくい。

ミニ確認 会社名を三つに増やせば、市場全体の下落を避けられますか?

避けられる保証はありません。比率や事業の共通点、株式市場全体の影響も確認します。

買う前のチェックを一枚にまとめる

  1. ジム

    悪い決算を見てすぐ売り買い、じゃなくて、『確かめたこと』と『俺の考え』を分けて書くよ。前の決算と日付や期間を合わせて、どこを読み取ったか誰かに話せる形にしたい。

  2. センパイ

    会社名と銘柄コードをセットで見て、取引所や商品区分も確認する。現物取引かどうか、注文の売買の向き、数量、金額、口座区分、注文期限を画面の上から読む。買う理由は「知っている会社」だけで済ませず、どんな事業か、どの資料をいつ確認したかを添える。分からない項目があるなら、それを調べる作業が先になる。

  3. ユイ

    情報を探す順番も決めたい。まず検索結果から公式ページに進む。会社の決算短信や説明資料で、年度と開示日を見る。証券会社の注文画面で金額と株数の単位を見て、見通しが外れたときの損失を例として値段を決めて計算する。期限のある生活費を混ぜていないかも見直したい。

  4. センパイ

    投資に使うお金と生活に必要なお金は、使う時期と用途に分けて考えると整理しやすい。株式は価格が動き、必要な時点で期待の金額を用意できないことがある。購入した後も、価格だけでなく当初の考えの前提が変わっていないか確認する。事前のメモに次の確認日を書いておくと、短い値動きだけを追うのを避けやすい。

  5. ケン

    最後は注文前に読む一枚を仕上げましょう。企業名、業種、数量、株価、費用と並べました。似た社名を前にしたとき、取り違えを防ぐために何を残しますか?

  6. センパイ

    最初の一歩は買い注文を出すことに限らない。会社の仕組みを調べ、価格の動きを金額で計算し、用意した資金で何が起こり得るかノートに書くところまででも学習になる。次は、同じ投資商品でも口座によって何が変わるかをNISAの章で、注文の指定方法を注文の章で深掘りできるよ。

ミニ確認 会社名だけ見て注文を確定する前に、どの数字を照合しますか?

銘柄コード、株数、単価や注文方法、想定代金、口座と有効期限を照合します。会社の公表資料の日付も確かめます。

この話のまとめ

株式を持つと株主になる。値上がり益や配当の可能性があり、値下がりで損失が出ることもある。

ONE QUESTION

1問クイズ

1株1,000円で買い、800円で売ったとき、差額はいくらですか?

正解と解説

200円の損失

800円から1,000円を引くとマイナス200円です。この例では手数料と税金を省いています。

出典・参考資料

株式や投資信託などは価格が変動し、投資元本を下回ることがあります。

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