投資のまんが帖マンガでわかる投資入門 第1話から読む
センパイがカレンダーを示し、ユイが老後までの流れをノートに描く 第09話

LESSON 09 / iDeCo

iDeCoのお金は、いつ使える?

老後に向けた私的年金。NISAとの違いを、お金を出すとき・運用するとき・受け取るときに分けて見ていきます。

4コマで読む

  1. ケンiDeCo用に引越し代も回そう。来年の引越しが近づいたら、掛金を止めてそのお金を出せば間に合うよな。

  2. ユイ引越しは来年だよ。センパイ、掛金を止めれば、もう積み立てた分もそのときに引き出せるの?

  3. センパイ掛金を止めても、積み立てた資産をすぐ取り出せるわけじゃない。老後のため、原則として受給できる年齢まで待つ。

  4. ジム同じ1万円でも、来年使う分と老後まで置ける分は別だね。掛金を決める前に、使う予定を書き出そう。

この章でわかること

iDeCoの掛金、運用、受け取りを順に確認します。働き方による条件の違い、家計で出せる掛金、商品や手数料、転職時の移換、給付の税を例で考えます。制度は2026年11月4日確認。12月の改正と2027年1月引落し分からの手数料変更を分けて説明します。

掛ける、運用する、受け取る

  1. ケン

    引っ越し代もiDeCoの欄に書いたぞ。今のうちに積み立てて、必要になったら掛金を止めて引き出せば間に合うだろ。

  2. ユイ

    待って、お兄ちゃん。それは近いうちに使うお金だよ。センパイ、iDeCoは将来いくらもらえるかが最初から決まっているの? 掛金を止めれば取り出せる?

  3. センパイ

    iDeCoは自分で掛金を出して、自分で選んだ商品で運用する私的年金。受け取る額は掛金、運用結果、費用などで変わる。老後のための仕組みだから、積み立てた資産は原則として受給できる年齢まで引き出せないよ。

  4. ジム

    掛ける、運用する、受け取る。三つの場面を分けて考えると、途中で掛金を止めることと、受け取れる時期は別だと分かりますね。NISAの売却とはどう違いますか?

  5. センパイ

    そうだね。NISAで買った商品は売却できるけれど、価格や出金までの日数は確かめる必要がある。iDeCoとNISAは、何のためのお金か、いつ使うか、掛金や利益の税の扱いを分けて考えよう。

ミニ確認 掛金の拠出を止めたら、原則として資産をすぐ受け取れる?

受け取れません。拠出を止める手続きと、給付を受けられる要件は別です。

掛金の大きさより家計の余白を調べる

  1. ユイ

    もし月2万円なら年間24万円だから、毎月払えるかだけを見ていた。でも年に一回の自動車の費用や家電の買い替えを忘れると、12か月ずっと同じように払えるとは限らない。途中で引き出せないことを知ったから、老後用と近く使うお金を分けて考えたい。

  2. センパイ

    掛金は原則月5,000円から1,000円単位で、加入区分などによる限度の範囲で決める。月額だけでなく一年の家計予定と見比べよう。月別指定の年単位拠出は対象者や設定にルールがある。掛金の変更は原則として一定期間に一回で、月別指定の場合は別の取扱いがある。いつでも自由に同じ方法で変えられると考えない。

  3. ケン

    収入が減ったら掛金を止めて、今まで積み立てた分は家計の口座に戻せると思ってた。止める手続きと、引き出して使えるかは別なのか?

  4. センパイ

    掛金を出すのをやめて、運用指図者として既存資産を運用する手続きができる場合がある。積立を止めても、資産の途中引出しが自由になるわけではなく、手数料がかかることもある。手続きの書類、適用時期、再開時の加入条件を運営管理機関で確認する。積立の停止と受給の請求を混ぜないでおこう。

  5. ジム

    月平均で2万円の余裕、という見出しには内訳が要りますね。収入が多い月に引っ張られていないか、最も支出が多い月も見て、続けられる額を決めましょう。

  6. センパイ

    収入、毎月の支出、年に数回の支出、急な出費への備えを並べる。掛金の限度は制度上の上限で、生活に合う掛金の目標額ではない。家計の条件が変わった時点で、変更手続きの時期を確かめる。制度のメリットを理解することと、いま申込むか判断することも分けてよい。

  7. ケン

    老後の欄から書こう。掛金は多めでいいだろ、始めてみてから考えようぜ。

  8. センパイ

    定規を貸せ。まず今月と来月に払うお金をここに書け。先に積み立てて、必要なときに取り出すつもりで考えるな。

  9. ユイ

    じゃあ、近いうちの支払いと老後まで使わないお金を色で分ける。無理なく続けられる額は、そのあとで決めよう。

ミニ確認 掛金を止める手続きをすれば、既に積み立てた資産をすぐ使えますか?

掛金の停止と受給は別です。老齢給付金などを受け取るには制度の要件を確認します。

加入できるかは勤務先と公的年金から調べる

  1. ケン

    会社員の知り合い二人に同じ掛金のメモを渡したら、片方に『うちの制度では違う』って言われた。二人とも会社員でも、勤務先の年金まで見なきゃ分からないのか?

  2. センパイ

    公的年金の加入区分と、勤務先に企業型確定拠出年金や確定給付企業年金などがあるかを確認する。自営業などの国民年金第1号、会社員などの第2号、扶養される配偶者などの第3号、一定の任意加入者などで条件が異なる。年齢や保険料の納付状況、企業年金への拠出状況も関係する。

  3. ユイ

    「厚生年金に入っている」と聞いても、会社が別に持っている企業年金までは分からないね。企業型DCで自分が掛金を上乗せしているかどうかも確認しないといけない。名前が似ているから、給与明細や社内の制度案内をまとめて人事に確認してみる。

  4. センパイ

    本人が企業型DCのマッチング拠出を選び、加入者掛金を拠出している場合、iDeCoとの同時利用はできない。企業年金の掛金相当額や拠出方法なども確認事項になる。自営業の場合は国民年金基金などとの共通の限度や、国民年金保険料の免除などの条件が関わる。個別の加入可否は運営管理機関の案内で照合しよう。

  5. ジム

    『加入できる』と『上限まで出せる』は、同じ見出しの下でも別欄にします。すでに勤務先の制度で掛けている分があれば、本人が使える枠を別に確認した方がよさそうですね。

  6. センパイ

    確認の順番は、公的年金の区分、勤務先の制度、iDeCoと同時に利用できる条件、掛金限度、引落方法。転職や扶養の変更があると、この順で確認し直す。企業年金の条件は同じ会社でも雇用形態などで異なる場合があるので、制度の名前だけでなく自分が加入しているかを確かめよう。

ミニ確認 会社員と分かれば、iDeCoで出せる掛金は全員同じですか?

一律ではありません。企業年金の有無や拠出の状況、現在の制度の要件を確認します。

加入条件と12月改正の数字を読む

  1. ケン

    上限が月2万3,000円の記事と6万2,000円の記事を見つけたぞ。俺なら大きい数字の方を書いておきたいな。

  2. ユイ

    待って、二つの記事で適用日が違うかもしれない。センパイ、企業年金のない会社員の例では、どちらの数字をいつ使うの?

  3. センパイ

    2026年11月4日時点の企業年金のない第2号加入者の上限は月2万3,000円。2026年12月1日に施行予定の改正では、第2号加入者の企業年金等と共通の拠出限度額が月6万2,000円になる。企業年金がある人も、iDeCoだけでその全額を追加できるとは限らない。

  4. ジム

    日付、加入区分、何と合算する金額かを、数字の前に読み上げましょう。『70歳未満まで』の案内も、年齢だけで加入できると判断してよいですか?

  5. センパイ

    改正で、60歳以上70歳未満の一定の人も加入できるよ。年金の受給状況などの要件がある。第1号の国民年金基金等との共通枠は月7万5,000円、第3号は月2万3,000円。勤務先で企業型DCのマッチング拠出を利用しているかも確認しよう。

会社員の掛金上限を、改正の前後で読む
時期企業年金のない第2号加入者企業年金のある第2号加入者
改正前月23,000円共通枠は月55,000円。iDeCoは月20,000円が上限
2026年12月1日施行予定月62,000円企業年金等との共通枠が月62,000円

2026年11月4日時点。企業年金などの有無でiDeCoに使える額が変わります。

ミニ確認 改正後は、企業年金のある第2号もiDeCoに月6万2,000円を追加できる?

一律にできるわけではありません。企業年金等と共通の限度額なので、勤務先の制度と掛金を照合します。

第1号・第3号と、60歳以降に始める場合

  1. ケン

    自営業の知り合いが、国民年金基金にも掛けてる。表の『共通』って、iDeCoだけに枠が丸ごとあるんじゃないってことか?

  2. センパイ

    そう。2026年12月1日施行予定の改正では、第1号加入者のiDeCoと国民年金基金等を合わせた上限は月7万5,000円になる。第3号のiDeCoは月2万3,000円と案内されている。11月の申込画面に12月の新上限を当てはめず、まず加入区分と適用月を確認しよう。

  3. ジム

    制度上あといくら拠出できるかと、家計から出せる額は二列にしましょう。同じ第1号でもすでに使った共通枠が違いますし、残りを全部使う必要はありませんね。

  4. センパイ

    その通り。共通枠の上限から引く項目に漏れがないか、金融機関の案内と年金の記録を確認する。掛金は加入時に決めるけれど、上限ぎりぎりを目標にすると、修理費や引越しなど予定外の支払いがあるときに家計を動かしづらい。

  5. ユイ

    年齢の欄にも「70歳になるまで」とあったよ。70歳未満なら誰でも申し込めると読みたくなるけど、ほかの年金を受給しているか、制度の加入や移換の状況など、年齢以外の要件があるんだね。私が読んでいる資料は申込予定の月のものかも確認する。

  6. センパイ

    加入可能年齢の見直しで、60歳以上70歳未満の一定の人にも拠出が認められる仕組みが案内されている。老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないなど要件があり、経過措置もある。自分が対象かは、施行日、誕生日、年金の状況、これまでの加入や移換の状況をまとめて問い合わせよう。

ミニ確認 改正後、国民年金基金に加入していても、iDeCoだけで月7万5,000円を拠出できる?

7万5,000円は第1号加入者の共通上限です。基金等に掛けている金額を合わせて考えます。

所得控除と手数料を別に計算する

  1. ケン

    月1万円を出したら1万円戻る、って書いてみた。『全額所得控除』ならそう読めそうだけど、税の計算のどこに入るんだ?

  2. ユイ

    「所得控除」と書いてあるよ。センパイ、掛金がそのまま返ってくるのか、税を計算するときの数字が変わるのか、どっち?

  3. センパイ

    控除するのは税率を掛ける前の所得だよ。実際に軽くなる税額は課税所得や税率などで変わるし、その税の課税所得がなければ掛金控除で税が軽くなることはない。所得控除の計算とは別に、口座や運用商品の費用も見よう。

  4. ジム

    費用も別の欄を開きましょう。『運営管理手数料0円』だけで全部無料と紹介はできませんね。2027年から変わるのは、どの費用ですか?

  5. センパイ

    国民年金基金連合会の加入中の手数料は、現行の掛金拠出時105円から月額120円へ、2027年1月26日の口座引落し分から変わる。新規加入時等の2,829円は変更なし。事務委託先金融機関、運営管理機関、選んだ商品の費用などは別に確認しよう。

月1万円を拠出した場合の所得控除
月の掛金
10,000円
年の掛金・控除額
120,000円
税の軽減額の例
24,000円

12万円 × 20%の単純計算。仮の合算税率を使用し、復興特別所得税などは省略しています。

ミニ確認 運営管理手数料0円とあれば、iDeCoにかかる費用はすべて0円?

ほかの機関の費用や商品の費用がかかる場合があります。何の費用が0円か確認します。

所得税がかからない年と、払込証明書の扱い

  1. ジム

    書類が来たら、引き出しに放り込んで終わり、はやめとこう。自分の口座から払ってる場合と、会社が給与から払う場合で、いつどこに何を出すのかを見ておきたい。

  2. センパイ

    iDeCoの掛金は、小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象。税率を掛ける前の課税所得などを減らす制度で、掛金がそのまま現金で戻るわけではない。軽減される税額は所得や税率、ほかの控除によって変わる。所得税・住民税の課税所得がない場合には、その税について掛金控除による軽減は生じない。

  3. ユイ

    同じ年12万円を拠出しても、課税所得がある人と、課税所得がない人で結果が違うんだね。給料の額面が分かればすぐ軽減額を出せると思ったけど、必要なのは税の計算に使う所得や控除の状況か。去年の税率が今年も同じとも限らないよね。

  4. センパイ

    税の簡単な計算例は、掛金の控除額に仮の税率を掛けることで考え方を学べる。実際には、所得の区分、段階的な税率、住民税、復興特別所得税、他の控除などが関係する。税負担が下がる額を比較するなら、控除の前後を同じ前提で試算する。商品の値動きや口座の費用はその試算とは別だよ。

  5. ケン

    『掛金は全額控除』を『毎月全額戻る』と読み上げたら、計算の入口が違いますね。引く相手が税額そのものか、税率を掛ける前の所得か。そこをはっきりさせましょう。

  6. センパイ

    払込方法などによって手続きが異なる。個人払込で加入している場合は、小規模企業共済等掛金払込証明書などを使い、年末調整や確定申告で控除を受ける。事業主払込での取扱いは勤務先の案内を確認する。手続きに使った資料とその年に実際に拠出した金額を、年ごとに保管しておくと照合しやすい。

ミニ確認 全額所得控除なら、年間12万円の掛金がそのまま返ってきますか?

控除は税率を掛ける前の所得に反映されます。税の軽減額は課税所得や税率などで変わります。

手数料は、誰がいつ取るかで整理する

  1. ケン

    『運営管理手数料0円』の広告を見て、店の席料無料みたいに口座の費用が全部ゼロだと思った。これ、金融機関が取る項目だけの話だったりする?

  2. センパイ

    iDeCoには国民年金基金連合会、事務委託先金融機関、運営管理機関に関わる費用があり、加入時等、加入中、給付時などで発生する。選んだ投資信託にも費用がある。運営管理機関の手数料が0円でも、他の機関の費用や商品の費用まで無料になるとは限らない。

  3. ジム

    古い比較記事の105円と、2027年からの120円を同じ表に入れるなら、適用日が要りますね。新規加入時等の2,829円まで変わるのか、費用の名前も確認しましょう。

  4. センパイ

    国民年金基金連合会の案内では、同会の加入中の費用が掛金拠出時105円から月額120円に見直され、2027年1月26日の口座引落し分から適用される。新規加入時等の2,829円は変更しないと案内されている。これは特定の費用項目の変更。金融機関ごとの費用や給付・商品の費用は別に確認する。

  5. ユイ

    月1万円を積み立てる人と月5,000円の人で、定額の費用が同じなら、掛金に対する比率は違うね。拠出を休んでいる期間に残高から費用が引かれる場合もあると聞いて、加入中と運用指図中を同じ料金表で見ないようにしたい。

  6. センパイ

    初年度と翌年以降、拠出する場合としない場合、受け取りの回数による差などを分けて確認する。年率の費用は資産額によって変わり、定額の費用は拠出額に対する割合で見え方が変わる。申込みの前に金融機関の最新の手数料表を保存し、費用の発生時期と、誰に支払う項目かを書こう。

ミニ確認 運営管理機関の手数料が無料なら、iDeCoにほかの費用はありませんか?

他の機関の手数料や、選んだ商品の費用がかかる場合があります。無料の対象と適用時期を確認します。

商品を比べるときは残高と費用を分ける

  1. ケン

    同じiDeCoの申込画面に定期預金と投資信託があるんだな。同じ箱なら同じ動きと思ってたけど、どこで商品の値動きと口座の費用を分けて見る?

  2. センパイ

    金融機関が示すラインアップには、元本確保型商品や投資信託などがある。元本確保型という表示は、その商品の条件に関する説明で、口座全体の残高が拠出合計を必ず上回ることを意味しない。口座の手数料や、物価上昇による実質的な購買力の変化も別に考える。投資信託は市場の状況によって値下がりすることがある。

  3. ユイ

    投資信託を選ぶ場合、たくさん並んでいると最近の成績が良いものを見てしまう。けれど株式や債券、国内や海外の割合が違えば、価格が動いた理由も違う。年率の費用だけでなく、何に投資している商品かから読んでみたい。

  4. センパイ

    投資対象、運用方法、通貨、主なリスク、費用を同じ順で比較する。投資信託の信託報酬は保有中に信託財産から差し引かれる。値動きの大きさは商品の中身や市場の状況で異なるので、過去の成績だけで将来の結果を決めない。商品が変われば、必要なときに売却できる手続きや期間が違う場合もある。

  5. ジム

    ボタンの役割も、画面上で名前を分けたいところです。今後の掛金の配分を変える操作と、すでに持っている商品を売って入れ替える操作。先に動くのがどちらの資金かを確かめましょう。

  6. センパイ

    一般に、掛金の配分変更は今後の掛金で購入する割合を変える。スイッチングは保有商品を売却して別の商品へ入れ替える。売却と購入の処理には時間がかかる場合があり、費用や価格差が関係することもある。前の資産と今後の掛金の両方を変えたい場合でも、対象と操作を別に確認する。

ミニ確認 今後の掛金配分を変更すると、過去に積み立てた商品も自動で切り替わりますか?

一般に配分変更は今後の掛金が対象です。既存資産の売却や購入はスイッチングの手続きで確認します。

運用と転職の手続きを確認する

  1. ケン

    新しい掛金を別の商品に振ったぞ。いま持ってる分も全部、選んだ先に替わると思ってたんだけど。

  2. ユイ

    変更画面に「今後の掛金」と書いてある。センパイ、今持っている商品を入れ替える場合は、同じ手続きでいいの?

  3. センパイ

    一般に配分変更は今後の掛金の振り分け。既存資産を売って別の商品へ入れ替えるときは、スイッチングという別の手続きで確認するよ。運用報告書では拠出した掛金、値動き、費用を分けて残高の増減を見よう。

  4. ジム

    転職が決まった場合は、商品の変更と切り離して手続きを確認しましょう。以前の勤務先の企業型DCにある資産は、どこへ移せるのでしょうか。

  5. センパイ

    条件を満たせば、新しい勤務先の企業型DCやiDeCoなどへ移せる。資格喪失後、原則6か月以内に移換等の手続きをしないと自動移換される場合がある。自動移換中は運用されず、費用がかかり、受給時期の判定に使う通算加入者等期間にも算入されないよ。

ミニ確認 自動移換された資産は、その間も運用され続ける?

運用されません。対象の場合は通知書と公式案内で移換手続きを確認します。

移換が間に合わなかったら何が起きる?

  1. ケン

    会社を辞めた知り合いが企業型DCの書類を持ち帰ってた。退職なら全部現金で受け取ると思ったけど、新しい会社やiDeCoへ移す話が出てる。受取りとは別の手続きか?

  2. センパイ

    企業型DCの資格を失った場合、資産を新しい勤務先の企業型DCやiDeCoなどへ移換できることがある。移す先は新しい働き方や制度、資産の状態で変わる。移換は自分の銀行口座に現金を引き出す手続きとは異なる。退職時の通知書にある資格喪失日と記録を確認しよう。

  3. ジム

    『自動移換』の字面から、何もしなくても新しい投資先で運用が続くように聞こえますね。一定期間が過ぎた場合に起こることを、手続きした場合と並べましょう。

  4. センパイ

    企業型DCの加入者資格を喪失後、原則として六か月以内に移換等の手続きが行われないと、資産が国民年金基金連合会へ自動移換される場合がある。自動移換中は資産が運用されず、手数料がかかり、その期間は老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に算入されない。対象なら早めに正式な手続きを確認しよう。

  5. ユイ

    すでにiDeCoに加入していて会社を変える場合も、公的年金の区分や会社の企業年金が変われば、掛金の限度や加入条件を見直す必要があるね。連絡先が変わって通知が届かなかったら、自分が前の条件のままと思い込みそう。

  6. センパイ

    転職、退職、住所変更、扶養の変更などは運営管理機関の手続き案内を見て確認する。勤務先の制度と個人のiDeCoの記録を一枚にまとめ、期限、提出先、完了通知の順にチェックする。自動移換されている場合は、移換先の候補や必要書類を公式案内で確認する。資格の喪失とお金が自由になることを結びつけない。

ミニ確認 企業型DCを退職後に放置して自動移換されると、そのまま商品で運用されますか?

自動移換中は運用されず、費用や通算期間にも影響します。通知書と公式案内で手続きを確認します。

受け取れる年齢と税を調べる

  1. ケン

    60歳の誕生日に全員へ入る、ってカレンダーに丸を付けたぞ。何年積み立てた人でも、その日でいいのかな。

  2. ユイ

    誕生日の丸だけでは、積み立てた期間が分からないよ。センパイ、60歳から受け取るための条件を教えて。

  3. センパイ

    60歳から老齢給付金を受け取るには、原則として確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上必要。短いと受給可能年齢が遅れ、60歳以降に初めて加入した場合には別の取扱いがあるよ。年齢になっても自動入金ではなく、請求が必要だ。

  4. ジム

    受け取り方にも二幕あります。一時金と年金で選べる場合、掛金の所得控除を受けたことだけで、受取時の税まで決まるわけではなさそうですね。

  5. センパイ

    一時金は原則として退職所得、年金は公的年金等に係る雑所得で、関わる控除が違う。勤務先の退職金やほかの年金、受け取る順序や時期などで税額が変わる場合があるよ。手続き先、受給可能な年齢、受取回数と費用を並べて確認しよう。

60歳時点の通算加入者等期間から確認
通算加入者等期間受給開始
10年以上60歳から
8年以上10年未満61歳から
8年未満期間に応じて公式の受給開始年齢表を確認

60歳以降に初めて加入した場合などは別の取扱いがあります。該当の年齢から請求できます。

ミニ確認 60歳になれば、加入期間に関係なく自動で入金される?

通算加入者等期間などで受給可能年齢が異なります。入金には請求が必要です。

60歳から65歳までの受給開始年齢を読む

  1. ケン

    56歳から始める例なら、60歳まで四年ぐらいだ。60歳の誕生日に全員が受け取れると思ってたけど、前の会社で積み立てた分も期間に数えるのか?

  2. センパイ

    60歳から老齢給付金を受け取るには、原則として確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上必要。企業型DCの期間などが計算に入ることがある。期間が短い場合は、受給可能になる年齢が61〜65歳に遅れることがある。60歳以降に初めて加入した場合には加入から五年経過後の取扱いが案内されている。

  3. ユイ

    引き出せる年齢の表を見ると、8年以上10年未満なら61歳、6年以上8年未満なら62歳。まず自分の記録を取り寄せて、誕生日と通算期間を照合すればいいのかな。空白だった期間を、私が勝手に年数に足して計算するのは危なそう。

  4. センパイ

    加入記録、運用指図、企業型DCからの移換、退職時に行った手続きの記録が判断材料になる。制度上の受給可能年齢と、実際に給付が入る日も別。受給できる年齢になったら自動で振り込まれると考えず、運営管理機関の請求書類と提出期限を確認しよう。

  5. ジム

    受け取り時期を選べる範囲があっても、その日までに運用が必ず増えるわけではありません。もし値下がりした状態なら、他の収入や手元資金で生活費をどうつなぐかも検討に入れましょう。

  6. センパイ

    受給可能時期を確認したうえで、受け取り方とその時点の資産状況を考える。公式案内では75歳までに受給を請求する必要がある。障害や死亡時は老齢給付金とは別の要件や請求手続きがある。家族が制度の存在を把握していないと手続きに気づきにくいため、書類や問い合わせ先は整理しておくとよい。

ミニ確認 60歳になれば、加入期間にかかわらず全員が同じ日に受け取れますか?

通算加入者等期間などで受給可能年齢が異なります。受給には請求手続きも必要です。

出口の税は一時金と年金で違う

  1. ケン

    一気に受け取れば大きな出費に充てやすいし、分けてもらえば毎月の勘定に入れやすいな。掛けるときと運用中の税を読んだけど、出口は一時金でも年金でも同じなのか?

  2. センパイ

    一時金は原則として退職所得として扱われ、退職所得控除の対象。年金として受け取る場合は公的年金等に係る雑所得として扱われ、公的年金等控除が関わる。控除があることと、税が必ずゼロになることは別。受取年や会社の退職金・ほかの年金などにより結果は変わる。

  3. ジム

    『税が少ない方』の一言では幕を下ろせませんね。会社の退職金を受け取る年や、公的年金が始まる年と重なる場合に、どの順序や条件を確かめるべきでしょう?

  4. センパイ

    受け取る時期や順序によって、退職所得控除を計算するときに重複期間の調整が必要な場合がある。国税庁の説明には、確定拠出年金の老齢一時金と他の退職手当等の支払時期に応じた取扱いがある。年金方式ではその年のほかの年金額なども確認する。ネットの古い年数の説明だけで出口を決めない。

  5. ユイ

    年金方式では手数料が受取回数に関係することもあるんだね。大きな支払予定があるのか、定期的な収入にしたいのか、ほかの資金でどう生活費を支えるかで見方が変わる。運営管理機関によって、一時金と年金を併用できるかも調べたい。

  6. センパイ

    受け取り方法の選択肢、手数料、受取年の収入、手元に残る見込み額を並べる。税の試算は個人の記録が必要なので、公的な資料や専門家に確認する。申請前に「いつから」「何回」「いくら」「ほかの収入や退職金はいつ」という質問を用意しておくと、必要な情報を整理しやすい。

ミニ確認 iDeCoの一時金と年金は、税の上でまったく同じ種類の所得ですか?

一般に一時金は退職所得、年金は公的年金等に係る雑所得として扱われ、関わる控除が違います。

NISAとの違いは目的・税・受取時期で比べる

  1. ケン

    老後用と聞くとNISAもiDeCoも同じ箱に見えた。どちらも税に特徴があるなら、掛金を出すときとお金を使うときの違いを先に見たいな。

  2. センパイ

    iDeCoは老後のための私的年金で、掛金が所得控除の対象、運用益は非課税、受取時は方法に応じて控除が関係する。成人のNISAは対象商品の売却益や条件を満たす配当等が非課税で、購入代金は所得控除の対象ではない。NISAで持つ商品は売却できるが、値動きや出金の時間がある。

  3. ユイ

    購入代金を控除できるからといって、手元で使う予定の資金もiDeCoへ入れると、後で取り出せず困るかもしれない。一方、NISAに入れていたら値下がりせず予定日に必要な額が残るわけでもない。どちらも先に、使う予定と確保したい金額を書いておくのが大切だね。

  4. センパイ

    資金を使う日、必要額、値下がりしたら延期できるか、ほかの収入や備えがあるかを先に見る。老後用という名前が同じでも、積み立て期間や生活状況で必要な柔軟性は違う。税の扱い、商品のリスク、引出しや受取時期、口座の費用を別の行にすると整理できる。

  5. ジム

    制度が二つあっても、選んだ投資信託の中身が似ていれば同じ企業や地域に重なることがあります。口座の数を数えるより、預金なども含めた資産全体で中身を見ましょう。

  6. センパイ

    別の制度でも、運用先の中身が似ていれば同じ理由で価格が動くことがある。保有額の比率と、いつ使う資金かを同じノートで確認する。税の上限を両方使い切ることより、収入が減る月や必要な支払いに備えられるかを先に確かめる。学習の例から個別商品の購入を決める必要はないよ。

ミニ確認 iDeCoと成人のNISAを比べるとき、非課税だけを見れば十分ですか?

掛金・購入代金の税の扱い、受け取れる時期、値動き、費用、家計の使い道を分けて確認します。

最初の申込みと、続けながら見る書類

  1. ジム

    仕事が変わるたび書類を別の棚に突っ込んだら、老後に探すのが大変だ。金融機関、加入してた期間、移換の記録、受取や費用の案内を一か所にまとめとくよ。

  2. センパイ

    加入資格の確認や事務手続きには時間がかかる場合がある。申込み、加入の通知、口座開設の案内、初回引落し、配分の登録を順に照合する。引き落としの回数や金額は月ごとの記録を見て、予定どおりか確かめる。ログイン情報を使うときは、検索広告やメッセージだけでなく、公式サイトから入る習慣も役立つ。

  3. ユイ

    口座の残高だけを見ると、毎月の拠出が反映されたのか、価格が上がったのか、手数料が引かれたのかが分からない。報告書を読むときは残高の増減を掛金・値動き・費用に分けて書けば、数字の出どころを追いやすくなるね。

  4. センパイ

    加入中の確認では、運用商品の配分と残高、掛金の記録、口座の手数料、所得控除に使う証明書などを見る。転職、扶養、住所、勤務先の企業年金が変わったら、年に一度の確認を待たずに必要な手続きを確認する。運用結果を定期的に読み、いつ使う資金かという最初の前提も見直す。

  5. ケン

    最後に、案内の一枚目に置く順番を決めましょう。公的年金と勤務先の制度、掛金の範囲、商品と費用。申し込んだ後は、どの通知と記録を照らし合わせますか?

  6. センパイ

    締めくくりのノートは「加入と上限」「生活資金との区別」「商品と費用」「拠出・運用・受取の税」「転職などの手続き」「受取可能時期」の六行。各行に参照した資料と確認日を書く。制度が変われば更新すべき行が分かる。分からない欄は、最新の公的資料や運営管理機関で確認する項目として残そう。

ミニ確認 残高が前の年より増えていれば、運用結果は必ずプラスですか?

拠出が増えたことで残高が増えることがあります。掛金、価格変動、費用を分けて報告書を読みます。

この話のまとめ

iDeCoは老後のための私的年金。所得控除や運用益の非課税があり、受け取れる時期、費用、加入条件も確かめておきたい。

ONE QUESTION

1問クイズ

iDeCoの老齢給付金について、正しいのはどれですか?

正解と解説

受取開始年齢は、確定拠出年金への加入期間などで変わる

老齢給付金の受取りは原則60歳以降です。通算加入者等期間によって、60歳より後になる場合があります。

出典・参考資料

株式や投資信託などは価格が変動し、投資元本を下回ることがあります。

第10話へ進む 講座一覧