指値の1,000円は、買う上限か売る下限か

  • ケン

    おーいユイ、俺の注文が通らない。1株1,000円って値札まで書いたのに、さっきの画面には1,050円って出てる。仕入れなら五十円ぐらいはおまけしてくれるだろ?

  • ユイ

    ここ、買いの指値が1,000円になってるよ。自分で一株に出せる上限を入れたんじゃないの。センパイ、値札みたいに見えるけど、この数字は実際に買うときの値段なの?

  • センパイ

    買い指値の1,000円は上限だから、980円も条件に入るよ。反対に、1,000円で売り指値を出したら、1,000円は下限。1,020円なら条件に入るけれど、980円では売れない。

  • ユイ

    ボードの左に買い、右に売りって書こう。どっちにも1,000円と書くと、値段は一緒でも向きが違うと分かるね。 なるほど。同じ数字が買うときは天井、売るときは床なんだね。じゃあ画面に私の買い指値と同じ1,000円の取引が出たら、買えたってこと?

  • センパイ

    同じ値段でも、自分より先の注文だけが成立することがあるよ。東証のザラバでは、買いは高い注文、売りは安い注文が優先。同じ値段なら原則として早い注文が優先だ。自分の成立は口座の約定明細で確かめよう。

  • ユイ

    売るときは1,000円より高く成立することもあるんだね。価格の条件はわかったけど、明細が出たら、値段のほかに何を見れば注文全体の状態がわかる?

  • センパイ

    数量と成立時刻、注文の残りを見よう。同じ注文の一部が違う時刻に成立することがあるから、1件目の明細だけで全部を判断しない。条件に合う相手が途中でなくなれば一部だけになる。指値が守るのは成立した株の単価の限度で、成立する数量や時刻を決める欄ではないよ。

  • ケン

    前の店の仕入れでは「一袋1,000円まで」と言うと、980円でも買うよな。株もそう考えると、1,000円の買い指値が980円で成立しても、入力を間違えたとは限らないのか。

  • センパイ

    取引所の注文としては、買うなら指定額以下、売るなら指定額以上で成立し得る。どの価格になるかは、その時点で向き合う注文や成立方法による。画面に「指値1,000円」と出たら、さらに買いか売りかを確認しよう。

  • ユイ

    買いから練習するね。その時点で一番安い売りが1,050円なら、1,000円の買い指値はまだ成立しません。市場で1,000円以下の売りと条件が合うのを待ちます。 たとえば売りで1,000円と指定したとき、条件が合えば1,020円で売れることもある。買いなら1,020円は上限を超える。わたしは数字だけ書かず、最初に「買い1,000円以下」か「売り1,000円以上」まで書くよ。

1,000円の指値は、買いと売りで向きが違う
注文指定価格の意味成立し得る価格の例
買い指値1,000円1株の上限980円・1,000円
売り指値1,000円1株の下限1,000円・1,020円

実際の成立価格と数量は、その時点の注文や売買の方式によります。

登場人物が指値の条件を確認するイラスト

注文受付、約定、受渡を時系列で見る

  • ケン

    練習で200株を注文したら「受付済み」だって。よし、200株買えた! 帳簿にも代金を払ったって書いとくぞ。

  • ユイ

    待って、ケン。注文番号はあるけど、約定した株数も受渡日もこの画面にはないよ。センパイ、どこまで済んだか教えてくれる?

  • センパイ

    証券会社が指示を受けた段階だよ。市場で相手の注文と条件が合って売買が成立するのが「約定」。その後に株と代金をやり取りする「受渡」がある。国内株の普通取引は、通常、約定の2営業日後が受渡日だよ。

  • ユイ

    受付票が出ただけなら、まだ100株買ったとは言えないね。どの注文が何株いくらで成立したか、約定明細を一緒に開こう。 あっ、明細を開くと100株しか書いてない! 残りの100株は明日になれば自動で買えると思っていたけど、有効期限も関係するのかな。

  • センパイ

    そう。残りは注文照会で「注文中」「失効」などの状態を確かめよう。有効な注文でも相手がいなければ約定しない。注文照会の株数と約定明細の株数を並べると、まだ市場に残っている指示が分かるよ。

  • ユイ

    買う数量を入れたら、資金の表示も変わったよ。使えるお金が減ったから、支払いが終わったと読んでもいい? 予約したのと、支払った金額の違いが数字に出ることもあるのかな。

  • センパイ

    買付余力は新たな注文に使える枠の表示で、注文中の金額が差し引かれる場合がある。引き落としや受渡の記録と意味が違うから、残高が動いたことだけで成立を判断しない。約定明細には実際に成立した値段と株数が載る。その金額に手数料などがどう反映されるかも取引明細で確認しよう。

  • ケン

    買いのボタンを押して「受付済」と出たから、友達に株主になったぞと連絡するところだった。100株買えたという表示はどこにもなかった。受付欄の金額を見て、支払った金額と判断するのはまだ早いか。

  • センパイ

    受付は注文を受けた段階だ。どの条件で何株買えたかを確かめるのは約定明細、資金と株式の受渡しを確認するのは受渡日や口座明細。注文が一部ずつ成立すれば、注文は一行でも約定明細には複数の行が並ぶことがある。

  • ユイ

    受付のあとに一部だけ成立した場面を書くよ。10時に200株の買いを受付。10時05分に100株が980円で成立し、残り100株は注文中です。この時点の成立金額は980円×100株=98,000円。費用は別に確認します。 時系列をノートに書くね。10時に受付、10時05分に一部約定、その後に受渡。店でいうと注文票、提供した品、会計は順に進む。アプリの表示名は会社ごとに違うから、注文一覧と取引明細の両方を見よう。

板を読んで「同じ価格で売れたのに買えない」を考える

  • ユイ

    板に売り2,011円、買い2,009円が並んでいるよ。画面の上下で色も違う。買いを入れるときはどちらが相手になり得るのか、まずその見方を押さえたい。板に書かれている2,011円と、現在値の違いも曖昧だった。

  • センパイ

    買い手の相手になる候補は売り側の注文。売り手の候補は買い側だ。一番低い売り2,011円と一番高い買い2,009円の差は2円。この差をスプレッドと呼ぶことがある。板はそのときの注文の見え方で、現在値が直近の約定なら、価格も意味も別の欄だ。

  • ケン

    俺が買うなら見るのは売りの列か。買いの列でいちばん高い2,009円を、自分がすぐ買える値段と取り違えてた。

  • ユイ

    買う人が2,010円と2,009円を出したら、高い方が先なのは、売り手が受け取りたい価格に近いからと考えればいい? 一方で、同じ2,010円に二人が入ったときは価格で比べられないよね。 わたしがお兄ちゃんの前に2,010円で100株注文したとしよう。同じ値段なら次は時間の順番? それとも一律に半分ずつ?

  • センパイ

    東証のザラバでは、買いは価格が高い方、売りは価格が低い方が優先。同じ価格の注文同士は受付時刻の先後で優先するのが基本だ。だから、後から同じ値段に注文を出した場合、相手側の数量だけでなく、同じ側の先行注文の数量も気にすると理由が分かりやすい。

  • ユイ

    数量表示が500株と出ても、500人が100株ずつ出しているという読み方ではないんだね。注文が取り消されたり追加されたりして変わるなら、見た瞬間だけで、誰が売りたいとか会社への評価まで推測するのは難しそう。

  • センパイ

    そう。ある価格に多い数量が見えることと、なぜ人が注文したかを知ることには距離がある。見えている注文は変更や取消があり、端末や配信経路で時刻のずれも起こる。板は約定し得る条件を理解する材料にして、株主の動機や先の値動きを決めつける材料にしない。

  • ケン

    1,000円の取引があったと表示されてるのに、俺の買いが残ってた。板の値段だけ見て、証券会社のアプリが止まったかと思ったよ。注文を出した時刻と、取引が表示された時刻も比べた方がよかったのか。

  • センパイ

    比較するなら、同じ銘柄、注文先、売買の時間帯をそろえよう。同じ市場のザラバで同じ値段の買いが並び、先の注文だけで売りの数量が尽きれば、自分の注文は残る。成立した価格だけから、自分の注文が列の先頭だったかは分からない。

  • ユイ

    同じ価格で順番がつく場合を考えてみる。東証のザラバで2,010円の買い指値が先に100株、次に自分の買い指値が100株あるとします。ほかに優先する注文がなく、2,010円で売る相手が100株だけ来ると、先に受け付けた注文が成立し、自分の買いは残ります。画面に「2,010円の約定」と出ても、自分が買えたとはいえない理由です。寄り付きなどには別の扱いがあるので、練習ではザラバと条件を明示します。 板のスクリーンショットは、その時点に並んでいた注文を見せてくれる。スクリーンショットと約定時刻がずれていたら、その後に注文が出たり取り消されたりしているかも。発注後の結果は自分の約定明細で確認するね。

同じ値段の買い注文が並んだ例
ザラバでの順序価格数量2,010円の売り100株が来たとき
先の買い2,010円100株100株が成立
自分の買い2,010円100株100株が注文に残る

先の注文より優先する注文がなく、売り100株だけが来たと仮定した例です。

登場人物が株の注文を学ぶイラスト

成行と指値で、変わる条件を比べる

  • ユイ

    センパイが板を開いたよ。「現在値1,000円」と出てる。300株を成行で買うなら、30万円ちょうどを想像していたけど合っている?

  • ケン

    今の値札を見て、300株ぶんを一括で買える気になってた。店でも残り100皿しかなきゃ、同じ鍋から300皿は出せないよな。

  • センパイ

    成行は値段を指定しないよ。現在値は直前に成立した価格。次の取引では、今出ている相手の注文と合う。株数が多いと、一つの価格帯にある株数だけでは足りず、複数の価格で成立することもある。

  • ユイ

    板に1,001円の売りが100株あるね。私は300株ほしいから、残りは次の1,004円から200株買う計算になるの?

  • センパイ

    その板が変わらず、より優先する買い注文もなければね。注文を送るまでの間に、別の人が売りを買ったり、売り手が注文を取り消したりするよ。表示された板で計算した額と、最終的な約定額は区別しよう。

  • ユイ

    じゃあ、試算の横に「板が変わらない場合」と書くよ。いま見えている値段と株数で一回計算して、明細とずれたら理由を考える。 別の板の例でも計算してみよう。1,005円に100株、1,010円に100株の売りがあるときに200株を買うと、最初の1,005円で全部そろうわけじゃないんだね。

  • センパイ

    ザラバ中で、板の状態が変わらず、その売り注文と順に合う仮定なら、100株は1,005円、100株は1,010円で成立する。買付金額は100,500円と101,000円の合計201,500円。平均は1,007.5円だけれど、明細にある個々の成立単価とは別だ。実際には注文の到着前後で板が動く。

  • ユイ

    注文の数が多いほど、表示された一番近い価格だけで取引全体を見積もるとずれそうだね。では、反対側の注文がなくなったとき、成行なら価格を問わないのだから、どこかで必ず相手が現れると考えていい?

  • センパイ

    相手が現れることや、取引所でその時点に売買が成立することは保証されない。買いだけに偏る場面、取引停止中、売買時間の区切りなどでは、すぐに合わないことがある。指値と成行の違いは、「価格の限度を優先するか、値段を指定せず出すか」。いつ何株成立するかは別の条件で決まるよ。

  • ケン

    一番安い売りが1,001円だったから、300株ぜんぶ1,001円で買えると思ってた。でもその値段に100株しかなかったら、200株ぶんが別の値段になる場合があるんだよな。金額を出すときは、価格ごとに数量を掛ければいい?

  • センパイ

    そのとおり。画面を見た時点の板で試算できるけれど、約定価格を確定する数字ではない。成行は価格を指定せず、指値なら上限や下限を決められる。取引が成立するか、希望数量を全部そろえられるかも条件に含めて比較する。

  • ユイ

    手元の板を使って計算するよ。売りは1,001円に100株、1,004円に200株、1,012円に100株。想定どおり最初の二段で成立した場合、100,100円+200,800円=300,900円です。費用は省いています。 成行で買う候補と指値で待つ候補を、値段の制約、成立しやすさ、全部そろうかの三列で考えるね。値動きが速い場面では直前の表示価格と離れて成立することもあるし、場面によっては成行でも成立しないことがある。

300株の成行買いを価格ごとの数量で試算
売り値売り数量仮に成立する数量代金
1,001円100株100株100,100円
1,004円200株200株200,800円
1,012円100株0株0円
合計400株300株300,900円

板が変わらず、最初の二段で成立したと仮定しています。費用は省略しています。

価格が届いても、成立のためには相手と数量がいる

  • ケン

    指値は安く買える仕組みだと聞いたから、1,000円より下にした。俺の上限が990円で、相場が一度990円に触れたと書いてある。それなら、一瞬でもその価格が出たら100株は買えたはずじゃないか。

  • ユイ

    記事の安値と、お兄ちゃんの注文記録を横に置くよ。安値は午前10時02分の取引。注文の受付は10時06分だね。その後も990円で売る人がいたか、ここにある二つの数字だけじゃ分からない。

  • センパイ

    さらに、10時01分に受け付けられていたと仮定しても、同じ990円の先の買い注文が100株あり、その後の売りが100株だけなら、自分の注文は残る場合がある。ザラバの単純な例だが、価格、時刻、数量の三つがそろって初めて説明できる。

  • ケン

    990円の値段が見えたら買えたと思ったのは早かったな。取引を逃したくなければ、指値を上げるとか成行に変えるとか頭に浮かぶ。でも慌てて数字を変える前に、元の注文がまだ残っているかは必ず見たい。

  • センパイ

    その確認から始めよう。安い指値を維持すれば、支払う上限を保てる一方で、条件に合う相手が来ずに買えない場合がある。価格の指定を変えるなら、支払額の上限がどう変わるか、訂正や取消がいつ反映されるかを確認する。

  • ユイ

    わたしは「上限を守りたい」「数量をそろえたい」「いつまで待てるか」の三つを書いたよ。全部を思いどおりにできるとは限らない。画面の安値が指値に届いたことと、自分の注文が成立したことは、別々の記録で確かめる。

登場人物がチャートに目を向けるイラスト

一部約定は、価格ごとの株数から合計する

  • ユイ

    300株の買い指値を出した記録を開いたら、同じ注文番号の下に二つの明細があったよ。株数と価格を足しても、注文した300株にならない。注文が別れているのか、私が同じ注文を重ねて出してしまったのか判断したい。

  • ケン

    明細が二行あるだけで、俺なら二重に押したと思って焦るな。同じ注文番号か見てから足せばいいのか。

  • センパイ

    同じ注文の数量の一部が、別の相手や別の時刻に成立すると、明細が分かれることがある。同じ注文番号なら、まずその注文について明細の株数を合計してみよう。次に注文照会で「残り何株が有効か」「どんな終了状態か」を確認する。この順なら一部約定と重複発注を切り分けやすい。

  • ユイ

    100株が802円、さらに100株が806円だったとする。二つの価格の平均は804円で、ここは同じ株数だから簡単だね。ところが、別の日の例で100株と200株なら、値段を足して二で割るだけではずれるの? 100株の行と200株の行の単価を足して二で割ると、株数の違いが消えるよね。先に値段ごとの代金を計算してみよう。

  • センパイ

    平均約定単価は成立した金額を合計し、成立した株数で割ると求められる。数量が違えば、一株ずつの重みで計算する。100株を802円、200株を806円なら、80,200円と161,200円の合計241,400円を300株で割って約804.67円。手数料等を含む取得単価の表示は別に扱おう。

  • ユイ

    残り100株の注文を消したら、成立した200株まで元に戻ると誤解しそう。実際に取り消せる範囲がどこか、発注した後の状況ごとに確認したい。成立済みと未約定の表示が分かれているのはそのためでもあるのかな。

  • センパイ

    注文の取消が間に合って効くのは、成立前の残りの部分。すでに成立した取引は、注文の取消操作で取り消すことはできない。取消を出してから完了までに追加の約定が起こる可能性も考え、最終状態と明細を確認しよう。注文番号と時刻が残っていると、どこで変わったか説明しやすいよ。

  • ケン

    焼き鳥の伝票みたいに注文300本と、実際に出した本数を別にしたら見やすいな。株でも300株の指値のうち200株だけ成立したなら、保有が増えたのはその200株ぶんだ。残り100株があとで成立するか、取消済みかは一覧を見直す。

  • センパイ

    平均約定単価は、成立した代金の合計を成立した株数で割る。単価の表示をただ平均すると、価格ごとに株数が違う場合にずれる。株数の合計、金額の合計、残りの状態を順に書こう。平均単価と税務上の取得価額の表示が同じとは限らない。

  • ユイ

    ここまでを注文照会に当てはめるとこうなるね。300株を810円以下で買う設定を出し、100株が802円、100株が806円で成立。その後、残り100株の取消が完了したとします。成立は合計200株、成立金額160,800円、平均約定単価804円です。有効な残りは0株。注文数量300株と実際の保有増200株の差は、取消した未成立部分に対応します。 別の計算例だと、800円が100株、810円が200株。80,000円と162,000円で計242,000円、300株で割ると約806.67円。値段だけを平均した805円との差は、810円で買った株数が多いからだね。

300株の注文で実際に成立した数の例
  • 注文した株数300株
  • 成立した株数200株
  • 取消完了後に有効な残り0株

802円と806円で各100株が成立し、残り100株が取り消された場合です。

取消を依頼した時刻と、取消が終わった時刻

  • ユイ

    買いの練習を中止したくて取消ボタンを押したよ。画面には「取消中」。もう一度、同じ数量で別の買い注文を出せる状態なの?

  • センパイ

    先に元の注文の状態を確認しよう。取消が通る前に売買が成立することがある。完了の表示が出たら、取消ができた数量と約定した数量を別々に見る。約定済みの分は注文取消では戻らないよ。

  • ケン

    あぶねえ。取消中と出ただけで、俺なら同じ注文をもう一度押してた。元の約定明細を先に開くぞ。

  • ユイ

    200株を全部取り消すつもりでも、途中で100株買えていたら、残り100株だけが消えるんだね。最初にやりたかったことを、画面の項目と照らしてみるよ。

  • センパイ

    次に発注する前にも、銘柄・売買の向き・数量・注文方法・有効期限を確認しよう。「この値段まで・今日だけ」と先にメモすると、確認画面に「成行」や異なる期限が出たときに気づけるよ。

  • ユイ

    同じ指値を昨日の夜に入力したつもりなのに、今朝、注文一覧の「有効」に見当たらなかったよ。夜に押した時刻と、証券会社がどの日の注文として受け付けたかを同じと考えていた。どこを見直せば原因が分かる? 夜にボタンを押した時刻と、注文一覧の有効期限は別々に控えるよ。受付の時間だけだと、いつまで有効かは分からないね。

  • センパイ

    注文画面と照会に出る有効期間をまず見よう。当日限り、日付指定などの扱いは、証券会社のサービスと注文の種類で変わる。発注できる受付時間と市場が売買をする時間も別だ。夜に入力できても、いつ市場へ出すのか、何日目まで残るかは確認画面を読む必要がある。

  • ユイ

    注文の訂正なら、入力した新しい価格で必ず置き換わると思っていたけど、訂正前に成立すると話が違うんだね。ネット回線が途中で切れた場合も、画面のボタンが押せたかどうかだけでは推測できなさそう。

  • センパイ

    回線断や読み込み中のときは、注文を連打して推測しない方が状況を特定しやすい。復帰後に受付履歴と約定照会を読み、分からなければ証券会社の案内に沿って照会しよう。訂正できる項目や、訂正で優先順位がどう扱われるかは各社の説明を確認する。未確認の注文を重ねないのが大切だ。

  • ケン

    さっきの注文を消したつもりで、同じ銘柄をまた買おうとした。店の注文票なら赤線を引けば終わりだけど、株の注文は「取消受付」と表示された後にも動くことがあるんだな。二重発注を防ぐにはどこを確認する?

  • センパイ

    まず元の注文の状態を確認する。取消依頼後も確定する前に一部または全部が成立し得る。取り消せた数量と、すでに成立した数量を別々に確かめる。訂正できる項目や期限は、使っている証券会社と取引条件の案内を確認しよう。

  • ユイ

    途中で取引が成立した場合も見ておくよ。10時01分に200株の取消を依頼。10時02分に100株が約定し、10時03分に残り100株の取消が完了した例です。最終的な成立は100株、未約定で有効な注文は0株です。 再発注するなら、その時点でいくらの買付けが成立し、まだいくらが有効かを先に見るね。全部取り消せたと思って資金を別の注文に使うと、買付余力を読み違える。注文番号と時刻を控えると、何が起きたかを追いやすい。

取消依頼の直後に一部約定した例
  1. 10時01分 200株の取消を依頼
  2. 10時02分 100株が約定
  3. 10時03分 残り100株の取消が完了
  4. 約定100株、未約定で有効な注文0株
登場人物が取引の記録を確認するイラスト

寄り付き・ザラバ・引けで成立の仕組みが変わる

  • ユイ

    国内株は朝から夕方までいつでも約定すると思っていたよ。画面では昼の時間帯でも注文入力ができるので、市場も同じように取引中だと思った。前場や後場という区切りは、どこに表示される?

  • ケン

    入力できるなら、今売り買いしてると思うよな。店なら注文を聞く時間と、料理を出す時間は別だと知ってるのに。

  • センパイ

    東証の内国株の売買立会は、通常、午前9時〜11時30分と午後12時30分〜15時30分。証券会社の受付時間はこれと別で、昼や夜に次の立会に向けて入力できるサービスもある。市場の時刻と、注文の入力を受け付ける時刻をノートで分けると混乱しにくい。

  • ユイ

    前場の最初の価格を決めるとき、午前9時の瞬間に、前の日の終値を基準にして最初の人から一件ずつ買えるの? 日中は価格と時間の順を見たけど、寄り付きのときも同じように並べればいいのかな。 立会が始まって最初の値段が決まるところは、その後に注文が順番にぶつかるところと分けて考えるよ。時刻表に印を付けておく。

  • センパイ

    寄り付きなどでは売買注文を集め、条件に基づいて一つの成立価格を決める板寄せ方式を使う。立会中に条件が合う注文から順次成立させるザラバとは仕組みが違う。寄り付き前に受け付けた注文には同時呼値の扱いもあるので、早く入力したというだけで最初に成立すると考えない。

  • ユイ

    引け間際、15時27分に値段が動いていないのを見て、アプリが止まったと思うこともありそう。時間が15時30分までと書かれているなら、最後まで一件ずつ売買されると想像していたよ。

  • センパイ

    東証では通常、15時25分から15時30分まで、注文受付の段階で約定を行わないプレ・クロージングがあり、その後に引けの板寄せを行う。受付や規制の細部は公式案内を見る。価格が更新されない理由には時間帯の仕組みもあるので、画面だけで障害と決めつけないで確認しよう。

  • ケン

    昼休みに注文の入力ができたから、すぐ取引されると思った。発注できる時間と、取引所で成立する時間が違うなら、画面に「注文中」と出たのもおかしくない。引けの間際に入れた注文も同じように時刻を見る?

  • センパイ

    注文受付の表示と取引所の時刻を並べよう。東証には午前と午後の立会があり、午後の終わりにはクロージング・オークションがある。寄り付きや引けの板寄せと、立会中のザラバでは、注文を成立させる方法に違いがある。

  • ユイ

    立会時間の表と照らし合わせるね。平日12時10分にアプリへ注文を入力できたとしても、通常の東証の後場が始まるのは12時30分です。15時27分に注文が受け付けられた場合も、通常のプレ・クロージング中なら受付とその時点での約定は別です。休日や個別の停止は取引所の情報を確かめます。アプリに表示された注文状態と時刻表を一緒に読む練習です。 同じ1,000円の指値でも、何時の場面かで前提を分けるんだね。注文をいつまで出せるかは証券会社、取引所が売買を行う時間は東証の案内を開く。祝日、取引停止、注文先が別市場の場合も同じように扱わないようにするよ。

1株の値段、売買単位、注文先を切り分ける

  • ケン

    値札は780円。じゃあ780円だけ用意すれば買えると思ってた。注文の欄を見たら100株になってるぞ。

  • ユイ

    株価は1株780円と書いてあるのに、100株単位なら78,000円が必要だね。練習画面で「1株から」と書いてある別の取引も見た。株価の単位と注文する株数の単位、それに商品の種類が重なって見えるな。

  • センパイ

    東証の立会で扱う内国株は100株単位が基本。証券会社の単元未満株サービスでは1株単位で扱うものもあるが、注文が出る時刻、成立価格の決め方、使える注文方法や費用などはサービスで違う。株価が一株いくらかと、口座で何株注文できるかは別の情報だ。

  • ユイ

    指値で1,005.2円と細かく入れた例も見たよ。私の練習画面では小数が入らなかった。これは操作が違うから? 値段をどの刻みで入れられるかにもルールがあるのかな。

  • センパイ

    価格の刻みを呼値の単位という。東証でも価格帯や対象銘柄などで異なり、どの銘柄でも同じ刻みで入力できるわけではない。条件を満たさない値は受付で弾かれることがあるから、注文画面が示す刻みと銘柄、注文先を確認する。商品を変えると同じ入力を使えるとは限らない。

  • ユイ

    注文先が違えば、同じ銘柄でも入力できる株数や条件が変わり得るね。比較するときは画面名と時刻も一緒に控える。 発注画面にPTSやSORの表示を見たことがある。比較するときは、東証と同じ板と取引時間だと思っていたら間違いそう。違う場所で見た株価を、基準をそろえずに並べない方がいいよね。

  • センパイ

    証券会社が扱う取引経路には、取引所や私設取引システムなどの違いがある。どの注文種類に対応するか、発注先や約定価格がどう決まるかはサービスごとに確認する。画面を比較するときは銘柄、時刻、取引先、価格の表示の種類まで並べ、数字が違う理由を一つずつ切り分けよう。

  • ケン

    780円と表示されてるのに、100株を選ぶと約78,000円必要と出た。店の値札にも一人前と一皿の違いがあったな。株の注文でも、入力できる数量と価格の刻みを銘柄ごとに確かめるのか。

  • センパイ

    東証の通常の内国株の売買単位は100株だ。証券会社の単元未満株サービスなどでは数量や成立の仕組みが異なる場合がある。呼値は値段の刻みで、銘柄や価格帯で違う。入力できない価格があったら、まず条件を確認しよう。

  • ユイ

    違う株数で金額を比べてみる。例えば、B株が1株780円なら、東証の立会で100株を780円で買えた仮定で約定金額は78,000円です。同じ1株780円でも、単元未満のサービスで5株をその単価で買えた仮定なら3,900円。いずれも手数料等を含まず、実際のサービスでは約定単価や手数料の条件も違い得ます。比較は総額と取引条件をセットで行います。 わたしなら銘柄名と市場をそろえて、1株あたりの指値、注文の株数、価格の刻みを分けて書く。別サービスの見積額と比べるなら、約定の方法、取引できる時間、手数料も比較するね。数字が小さいから条件まで同じとは考えない。

登場人物が学んだ手順を練習するイラスト

約定代金、費用、出金可能額を見分ける

  • ユイ

    株を売って明細に金額が載ったよ。今日中に同じ額を銀行へ出金できると思ったけれど、出金可能額が違った。売買が成立した瞬間と、実際に資金を受け取って移せる時点が別なら、何を先に確認する?

  • ケン

    居酒屋でも売上の伝票と、実際に口座に入った金額は別だった。約定の表示を見て、銀行に移せると早合点したよ。

  • センパイ

    まず、約定日と受渡日を取引明細で分ける。取引所の普通取引の国内株は通常、約定日の2営業日後に決済する枠組みだ。営業日で数えるため休業日をまたぐと暦の日数は変わる。銀行への出金がいつ可能かは、証券会社の受渡・出金の取り扱いと画面の表示を確認しよう。

  • ユイ

    買ったときの約定金額が100,000円、売ったときが103,000円なら、差は3,000円。でも手数料や税の扱いを一切見ていないなら、これをそのまま手元に増えた3,000円とは呼ばない方がいいんだね。

  • センパイ

    約定金額の差は価格と株数から求めた差額で、受取額や手取りと同じとは限らない。買うときと売るときの費用、口座による税の扱いなどを別欄に残そう。計算に何を含めたかを先に書けば、証券会社の表示と自分の計算がずれたときに理由を追いやすい。

  • ユイ

    売買代金、費用を考えた手取り、出金可能額の三つを並べよう。どの列で何を判断できるかまで書く。 売った代金を再び買いに使える枠と、銀行へ振り込める額も別になる場合があるんだね。残高、買付余力、出金可能額の数字が全部そろっていなくても、すぐにシステムがおかしいとは考えないようにしたい。

  • センパイ

    画面ごとに対象が違うことを先に疑おう。「成立金額」「受渡金額」「買付余力」「出金可能額」を並べ、それぞれ何日時点の値かを読む。出金を急ぐときは、受渡のほか銀行営業日や締切の影響もあるため、証券会社の案内と口座の表示を確かめるといい。

  • ケン

    売れたらその金額でその日の支払いをしようと思った。売却の報告が来ているのに、出金できる額がまだ増えていない。株数と単価を掛けた金額、費用を引いた金額、銀行に動かせる日がそれぞれ違うんだね。

  • センパイ

    約定代金は約定価格と株数を掛けて計算する。手数料や税を考慮した金額は明細で確認する。東証の普通取引は約定日から数えて二営業日後に受渡しとなる。金融機関への出金はその会社の受付日程や口座の条件で変わることがある。

  • ユイ

    今度は、買ったときと売ったときの明細を並べるよ。100株を1株1,000円で買い、1,030円で売った場合の計算例です。価格の差による金額は3,000円。買いの費用220円、売りの費用220円があったと仮定すると、税の考慮前で差額は2,560円です。ここでの費用は練習用の仮定で、手数料体系を示す数字ではありません。実際に出金できる日時はこの計算からは分からないため、受渡日と出金可能額を別に確認します。 仮に月曜に約定し、祝日がなければ受渡しは水曜の例。間に休場日がある場合は営業日で数えるね。もし翌日の支払資金を作りたいなら、注文成立のタイミングと、受渡しや出金のタイミングを一緒に確かめる。

代金と費用と出金可能額は確認先が異なる
確認する数字100株を1,030円で売る例確認先
売却の約定代金103,000円約定明細
売却にかかる費用220円と仮定費用の明細
売買の差額買いが100株×1,000円で費用220円なら税を考慮する前に2,560円買いと売りの明細
出金可能額上の代金や差額だけでは確定しない受渡日と証券会社の出金画面

費用は計算例の仮定で、証券会社の手数料体系を示す数字ではありません。

指値注文を出す前と出した後に見る項目

  • ユイ

    ここまでで、注文の画面を最初から一人で見るときに、価格だけ気にしていたと分かったよ。確認画面を声に出して読んだら、どの項目から見れば桁や売買の取り違えを見つけやすいだろう?

  • ケン

    最初はボタンしか見てなかったけど、練習するなら俺は桁と買い売りの向きから声に出したい。

  • センパイ

    銘柄名とコード、買いか売りか、数量、注文の種類、価格または発注条件、有効期限と口座、最後に見積額を順に見よう。条件付なら「何が起きたら、どんな注文を出すか」を二文で読む。価格だけ確認しても、売りと買いや株数が違うと意図した注文とは変わってしまう。

  • ユイ

    練習例では、「1,000円まで、100株まで、今日の立会の範囲で」と一文にしてから入力欄と比べられるね。成行を選んだのに、メモに「1,000円まで」と書いてあったら、自分の優先したい条件と注文がずれていることに気づけそう。

  • センパイ

    振り返りでは、意図した条件、実際に受け付けた内容、成立した結果の三行を残すと役に立つ。約定したかどうかだけで「うまくいった」と判定すると、発注の意図が合っていたかを見落とす。未成立でも上限を守れたケースと、意図したのに誤入力で成立しなかったケースは違う。

  • ユイ

    わたしが読み合わせる。「1,000円までで100株」。画面の方法と値段、株数をそれぞれ指差して確かめよう。 値段が変わる場面で、注文が出せる時間や入力できる値段、取消できる範囲まで全部覚えなきゃと思っていた。実際には共通する仕組みを理解した上で、自分の口座のルールに戻って確認できればよい部分があるんだね。

  • センパイ

    最後に、取引先が違うと同じ表示名でも条件が変わり得ることを残そう。確認画面の内容と事前の意図が合わなければ、練習の段階で画面を閉じて説明に戻ってよい。取引後は明細の価格と数量を別々に確かめ、結果を次の判断の記録にする。学習の目標は、注文の仕組みを自分の言葉で説明できることだ。

  • ケン

    学習用の紙に「1,000円まで・100株」と書いたのに、画面で成行を選ぶところだった。100株に合っているかばかり目で追っていたんだ。数字だけ見たら注文方法の違いが抜けるな。確認ボタンの前に声に出してみる。

  • センパイ

    発注前は銘柄、取引所、売買の向き、数量、指値、期限、口座区分を読み合わせる。発注後は、注文が有効か、どの価格と株数で約定したか、残りがいつまで有効かを見る。意図と違う表示があれば、注文の状態を確認してから扱いを調べよう。

  • ユイ

    練習の答えをメモにするね。注文前の練習として「100株、1株1,000円以下、当日限り」と書いてから注文画面を見ます。確認欄に「100株・成行」と出ていたら、価格上限の意図と食い違います。正しい指値を仮に受け付けた後、状態が未約定なら、上限を保ったまま成立の相手を待っている可能性があります。明細が出たら成立時刻、価格、株数、残りの状態を書き、価格以外の条件も意図に合っていたか振り返ります。 今日の練習では「100株を1株1,000円以下で買う。期限は当日」と書くね。午後の明細で60株が成立したと思ったら、東証の通常取引か別サービスかも確認する。条件から読み取れる結果と、追加で確認が必要な結果を分けよう。

登場人物が取引の流れを振り返るイラスト

店の伝票に戻って、条件と結果を説明する

  • ケン

    店の伝票を使って練習してみた。「一皿1,000円以下で三皿」。一皿980円で出せて、別の一皿は995円。残り一皿は1,050円しかない。二皿は成立、残りは条件を満たす相手を待つ。株でも結果をこう説明すればいいか。

  • ユイ

    例では株数も書こうよ。300株を1,000円以下、100株が980円、100株が995円で成立、残り100株は有効なら待機。980円の取引と995円の取引の代金を足すと197,500円。税・費用を省いた額で、1,000円×300株の上限額とは違うね。

  • センパイ

    期限までに残りが成立しなかった場合は、次の営業日に同じ注文が有効かも確認する。注文の条件によっては期限が切れ、出し直すと別の注文になる。前日の条件や板の様子をそのまま当てはめず、現在の注文先と値段を見直す。

  • ケン

    値段だけで終わらないな。最初に決めたのは一株の上限、300株、当日限り。明細で分かったのは200株がいくらで成立したかと残りの状態。月末の出金まで予定しているなら、さらに受渡しを調べる。順番が見えたぞ。

  • ユイ

    注文票を冷蔵庫に貼るよ。左には注文条件、右には約定結果。一枚の紙にしても列は分けよう。最初に1,000円と書いたのが、自分の支払上限なのか、それとも明細に載った一株の値段なのか読めば分かるね。

  • センパイ

    指値を決めたら、成立した価格・株数・残りを明細で確かめる。実際の確認欄の名前や取消の条件は金融機関によって違う。迷ったら、銘柄や市場、時刻、注文番号を記録して、利用している会社の案内で確認しよう。