第03話4コマで読む
-
ケン投資先をいくつも分ければ安心だろ? あとで使う貯金も、もうすぐ使う引越し代も、全部カゴに入れよう!
-
ユイそのお金は使う日が決まってるよ。センパイ、投資先を分ける前に、家計のお金をどう仕分ければいい?
-
センパイまず、使う日と必要額を確かめろ。投資先を分けても、必要な日に値下がりしていることはある。
-
ジム引越し代を取り分けたら、投資先はカゴの数より中身だ。同じ理由で下がるものばかりなら、まとめて下がり得るよ。
卵のかごをきっかけに、投資先や買う時期を分けると損失がどう変わるかを学びます。商品名の数だけで判断せず、地域・通貨・会社・資産の種類の重なりを調べます。終盤では、使う日が決まったお金と投資資金を分け、配分の見直しを計算例で練習します。
まず守りたいお金を分けよう
-
ケンよし、引越し代も予備費もぜんぶ、三つのカゴに分けて投資しよう。小分けなら安心だろ。
-
ユイお兄ちゃん、その封筒は近いうちに払う引越し代だよ。分けて置くことと、値動きのあるものに入れることは別じゃない? センパイ、カゴを選ぶ前に何を分ければいいの?
-
センパイ最初の仕分けは、いつ、何に使う予定かを書き出すところから始めよう。来月の家賃、予定が決まった進学費用、急な修理に備えるお金、それから当面使う予定のないお金を別の列にすると、用途の違いが見える。分散を学ぶ場面でも、全部を投資商品に入れる必要はないよ。
-
ジムでは最初の仕分けは銘柄対決の前だね。ボードに「いつ使う」と「いくら必要」の二列を書こう。景気のいい数字は、その後のお楽しみだ。
-
ユイ同じ十万円でも、来月使う十万円と、ずっと先のために取ってある十万円では、今日値段が下がったときの困り方が違うね。売ればお金に戻せると聞いたけれど、使う日と売る日を合わせれば大丈夫、と思うのは早いのかな。
-
センパイ売却できることと、必要な日に必要額を用意できることは、それぞれ確かめる項目だよ。値下がりしたまま売れば、予定額を下回るかもしれない。売却から入金まで日数がかかる商品もある。日付が動かせるか、不足時に別のお金で補えるかも書いておこう。
-
ユイ必要な額の表を作ってみる。今の数字は仮のものでも、何を決めたら先へ進めるかがわかるね。金額が変わったら表を書き換えればいいし、現金で持つ理由も説明できそう。
-
センパイお金の箱に名前をつけると、分ける理由が明確になるね。今回は「使う時期」と「必要額」が第一の箱。利回りや銘柄を探す作業はその次だ。収支や予定は人によって違うから、箱の数や配分は練習例をそのまま当てはめずに考えよう。
ミニ確認 期限のある引越し資金を株で持つ場合、期限までに値下がりしていると何が起きる?
値下がりのまま売ると、必要な金額に届かない可能性があります。使う予定の時期と受取までの日数も確認するのが、商品を選ぶ前の準備です。
ひとつのカゴが落ちたら、どれだけ困る?
-
ユイさっきの引越し代を取り分けるとして、値動きがあっても当面使わないお金だけを考えるね。卵のカゴみたいにいくつかに分けると、何が変わるの?
-
センパイまず、使い道と期限でお金を仕分けよう。来月の引越し代や急な出費に備えるお金は、値下がりした日に売らざるを得ないと困るね。値動きがあっても当面使う予定のないお金と分けて考えるよ。
-
ケン残ったお金で考えるのか。俺なら卵を二つのカゴに入れても、好きな方に多めに入れちまうな。
-
ユイじゃあ、投資に使う10万円だけを考えるね。全部A社に入れた場合と、A社に3万円を入れた場合。A社が同じ割合で下がっても、受ける影響は違うよね?
-
ジムではA社のカゴにいくら置くかを先に宣言しよう。下落率は同じ20%。何が違いを生むか見えるね。
-
センパイそう。A社が20%下がると、全額なら2万円の減少。A社に3万円、ほかの7万円が横ばいなら減るのは6,000円。投資額の比率と各投資先の値動きを掛け合わせると、全体への影響が見えるよ。
-
ケン卵をかごに分けたぞ! これで、俺の卵焼きはどれか一つぐらい助かるな。
-
センパイ台ごとひっくり返ったら? かごの数を増やす前に、同じ原因で全部落ちる置き方を見ろ。
-
ケンそっか、全部同じ台の上だ。なら置き場所も分けよう。ついでに、大きいかごだけ卵だらけなのも直す。
投資額は合計10万円。A社以外の投資先の値動きはゼロとした計算例です。
ミニ確認 A社が全体の30%を占め、A社だけが20%下落したとき、全体は何%下がる?
6%です。30%×20%=6%で、ほかの資産の値動きはないという前提です。
一社だけの下落と、二社が一緒に下がる日
-
ケンじゃあ一万円、今度は二社に半分ずつだ。片方が転んでも、もう片方がきっと立ってるだろ。
-
ユイ使う時期を分けたよ。次は、同じ金額を一社と二社に入れて比べたいな。紙に数字を書いて、どちらも合計が同じところから始めれば、投資先を分けた効果だけを見やすくできそう。
-
センパイまず1万円を全部A社に置く。A社の価格が20%下がったら、1万円の20%で2,000円減って、8,000円になる。次に、A社とB社に5,000円ずつ置く。A社だけが同じ20%下がってB社は横ばいなら、A社の損は1,000円に縮まり、合計は9,000円だ。

-
ユイA社に置いた額が半分だから、A社が下がった影響も半分になるんだね。同じ会社の値下がり率でも、私のお金全体で見た損失率は違うんだ。B社が上がることまで期待しなくても、この違いは出るのか。
-
センパイその理解でいいよ。ここで比べたのはA社だけに問題が起きた場合だ。両社がともに20%下がれば、5,000円ずつの両方から1,000円ずつ減り、合計は8,000円。B社がさらに大きく下がった例を考えると、分けた側の損失が大きい場面もある。
-
ジム二社が同じ日に転ぶなら、守り役は舞台にいない。Aだけの下落と両社の下落を、別々の行で比べよう。
-
ユイじゃあ二社にしたから安心、という判断はできないんだ。B社に何を置くかで結果が変わる。分けた数だけで判断していると、肝心な「どんなときに両方下がるか」を見落としそう。
-
センパイ次は、割合を言えるようにしよう。全体の半分をA社に置くと、A社の20%安は全体を10%押し下げる。割合と下落率を掛けるだけなら、表計算でも電卓でもできるよ。数字を出せると、何を減らしたいのか相手に伝えやすい。
ミニ確認 A社とB社に5,000円ずつ置き、両社が同じ日に20%下落した。全体でいくら減る?
どちらも1,000円ずつ減るので合計2,000円です。A社だけが下がる場合とは分けて考えます。
銘柄数より共通の弱点を見る
-
ケン俺なら駅前で一軒ずつ、名前の違う三社を選ぶぞ。どの店もランチの客層が似てるけど、看板は別だ。
-
ユイその三社、看板は違っても同じ駅前だよ。料理や常連は違うとしても、旅行客が増えると、どこも忙しくなるみたい。会社名が違うだけで十分に分けたことになるのかな?
-
センパイその観察が大事だよ。会社名は違っても、客層や原材料、売上が増える季節、資金調達の条件が似ている場合がある。一つの会社だけで事故が起きる場合と、観光客が一斉に減る場合とを分けて考えると、影響が同時に出る理由を想像できる。
-
ユイ観光客が減るケースなら、駅前の三社が同じ方向に動くかもしれないね。別の会社を選んだだけでは、駅前の人通りという共通の弱点は残る。仕入れ価格が上がると全店舗が困る例もありそう。
-
センパイ業種をまたいでも共通点はあるよ。運送と外食は別の業種だけれど、燃料費や人件費が上がれば両方に影響が出ることがある。逆に、同じ業種でも顧客や契約条件が違えば、受ける影響に差が出る。分類表は入口にして、何が収益の変動要因かを調べよう。
-
ジム私なら、客足と仕入れの矢印を色分けする。観光の列は違っても、費用の列で重なる会社が見つかるかもしれない。
-
ユイ業種名の列だけだと、違って見えるところと似ているところを区別できないのか。会社の売上先や費用の特徴がわかると、共通する条件を書けそう。どの会社も事情が全部わかるわけじゃないから、空欄も出るね。
-
センパイ資料からわからなかった部分は「不明」と書くのが立派な判断だよ。推測と資料で確認したことを分けよう。ニュースを読んだら、「どの会社に」「どの経路で」「どのくらい影響しうるか」を短く書くだけで、銘柄の数とは別の見方ができる。
ミニ確認 観光関連の三社を持つ場合、ある会社だけに起こる不祥事と観光需要の急減では、どちらが三社に波及しやすい?
観光需要の急減のほうが共通の売上要因を通じて波及しやすいと考えられます。三社の実際の影響は、資料や状況に照らして確認します。
三つのカゴに、同じ弱点があった
-
ケンホテル、航空、旅行代理店。三枚も名札があれば、十分分けたと思っちゃうな。
-
ユイその三社なら一社だけのときより分けられそう。でも、旅行に行く人が減ったら、どの会社も困るかもしれない!
-
センパイそういう共通点に気づけたのが大事。あるホテルだけに問題が起きる場合と、旅行需要が縮む場合では波及する先が違う。銘柄数だけでなく、どの業種や地域の景気に左右されるかも見ておこう。
-
ジム全員が同じ旅行客を待っているんだね。投信に置き換えるなら、今度は名札より中の企業名を見よう。
-
ユイ投資信託を二本に分ける場合も、名前が違うだけで、同じ会社にお金が集まっていることがあるんだね。中身の見方は?
-
センパイ月次資料の上位銘柄や地域・業種の比率を並べよう。二本とも同じ企業の割合が高ければ、その企業の値動きに共通して影響される。見る数字はファンド全体に占める割合か、株式部分だけの割合かも確かめよう。
- ファンドA経由(40% × 5%)
- 2%
- ファンドB経由(30% × 10%)
- 3%
- 資産全体に占めるX社
- 5%
残りの資産にX社がない場合。各ファンドへの配分と、その中のX社の比率を掛けます。
ミニ確認 異なる名前のファンドを持てば、投資先の重複はなくなる?
なくなるとは限りません。上位銘柄や業種、地域の構成を見比べます。
投信と自分で持つ株が重なる場合
-
ユイ投資信託を二つ持つ場合も練習したい。商品AとBの資料を開いたら、どちらにも「上位組入銘柄」の欄があるよ。最初に出てくる会社の名前が同じなんだけど、二つを持つとその会社にいくら置いたことになるのかな。
-
センパイ仮にAを8万円、Bを2万円持っていて、会社Xの組入比率がAで10%、Bで20%としよう。Xに対応する額は8万円の10%で8,000円、2万円の20%で4,000円。合計1万2,000円で、全体10万円の12%だよ。
-
ケンAとB、どっちにもXが一番上だ。組入比率だけ足して、三割と書きそうになったぞ。
-
ユイ二つの資料の10%と20%を足して30%と書きそうだった。全体に占める比率を出すには、自分がいくらずつ持つかを一緒に見ないといけないんだね。金額に直してから足すと、計算が追いやすいね。
-
ジムXを直接持つ席も残しておこう。AとBの中から見えるXとは別の行に書けば、最後に重ねて計算できる。
-
センパイ資料で見えるのが上位10銘柄までなら、それより下に同じ企業があるかは、この表だけでは確認できない。基準日や、株式部分だけを分母にした表示かどうかも見る。Aの今月の数字とBの半年も前の数字では、同じ時点の比較にはならない場合がある。
-
ユイ確かめられたものだけを重ねて、ほかは未確認と書くね。企業名が違っても親会社や同じ企業グループに関係することがあるし、国や業種が同じなら似た影響も出る。上位銘柄は調べ始める場所なんだね。
-
センパイ商品の紹介ページで別の分類に見えても、参照する指数や方針が似ていれば、投資先が重なることがあるよ。逆に少しの重なりがあるだけで全体が同じだとも言えない。組入比率、配分、対象とする市場を合わせて見よう。
ミニ確認 商品Aが自分の全体の40%で、Aの企業X比率が5%なら、全体に占めるA経由のX比率は?
40%×5%で2%です。他の商品や個別保有を通じてXを持つ場合は、その分を別に足します。
国や地域を分けると何が残る?
-
ケン「世界」って大きく書いてあれば、世界地図を均等に塗った商品だと見てたよ。
-
ユイ日本と海外に分ければ、場所が違うぶん影響は別々になると思ったよ。世界の会社に投資する商品を見つけたんだけど、商品名だけで、どの国にも同じくらい入っていると考えていいのかな。
-
センパイ地域名と配分は別の情報だ。たとえば「世界」とある商品でも、時価総額に応じて重みを決める方式なら、市場の規模によって特定の国の比重が大きい場合がある。月次資料で対象の地域、比率、基準日を見て、合計を同じ物差しで比べよう。
-
ユイなるほど。二つの国の株式を持っていても、片方が90%で、もう片方が10%なら、同じ扱いにはできないね。国名が並んでいる一覧を見ただけでは、配分の偏りが見えないんだ。
-
センパイもう一つ、企業が上場する国と売上を得る国は一致しない場合がある。海外売上の多い日本企業は、海外の景気や為替の影響を受けることもあるよ。国内株、外国株という分類は便利だけれど、収益が生まれる場所まで教えてくれるわけではない。
-
ジム地図は上場先で一枚、売上先でもう一枚。海外売上が多い会社は、二枚を重ねると見え方が変わるね。
-
ユイ場所を分けても、世界同時の景気悪化や、共通の金利の動きみたいなものが残るね。海外商品を円で買えるときには、使う通貨と中身の通貨も分けて考える必要がありそう。
-
センパイいい見方だよ。円建てで取引する商品でも、外国の資産を持っていれば為替の影響を受ける場合がある。為替ヘッジの方針や対象は商品ごとに異なる。地域、企業の実態、資産の通貨という三つを別の列に書くと、どこが未確認かわかる。

ミニ確認 円で注文できる海外資産の投資信託なら、為替の影響を確認する必要はある?
あります。購入に使う円と、投資先の資産がどの通貨の影響を受けるかを分け、目論見書などで為替リスクや方針を確認します。
国や資産を変えても、損失はあり得る
-
ユイ国や地域まで分けたら、一度に全部が下がる心配もなくなるの? 円で買った海外の投資信託なら、為替の影響も消える気がするんだけど。
-
ケン円で買えるなら、外貨の心配も円の財布の外へ置けると思ってたぞ。
-
センパイ円で注文しても、中身が外貨建てなら円換算額が為替で変わり得るよ。世界的なショックで複数の国の株が一緒に下がることもある。分散は特定の影響を抑える工夫で、損失をなくす仕組みではないよ。
-
ジムでは「株価だけ」「為替だけ」「両方」の札を並べよう。同じ円払いでも、最後の円額がどう動くか見分けたい。
-
ユイじゃあ株式と債券を持つ意味はある? 債券は値段が下がらないものだと聞いたことがあるの。
-
センパイ債券も売却価格は変わる。一般に、ほかの条件が同じで市場金利が上がると、すでに発行された固定金利債の価格は下がりやすい。発行体の信用や外貨なら為替も関わる。何が起きたら両方下がるかまで考えよう。
ミニ確認 円で買う海外資産ファンドなら、為替の影響を確認しなくてよい?
確認が必要です。投資先の通貨や為替ヘッジの有無を資料で確認します。
株式、債券、預貯金の役割を分ける
-
ケン債券を入れれば株と逆に動くって聞いたぞ。店の売上が悪い日の保険みたいに考えてた。
-
ユイお兄ちゃんが考えたのは資産の種類を分ける方法だね。センパイ、株が下がると債券が必ず上がるの?
-
センパイ株式には企業の利益への見通しなどが関わる。債券には金利や発行体の信用力などが関わる。値動きの材料に違いがあるから、組み合わせを考える意味があるよ。一方で、物価や金利の急変で両方が下がる時期もある。相手が必ず逆向きに動くとは決めつけないでおこう。
-
ジム二つとも下がる日も試そう。現金の欄も残して、利益の勝負と支払いの備えを一緒に採点しないようにしたい。
-
ユイ債券と書いてあれば同じ動き、と考えるのも早いね。国が出すものと企業が出すもの、満期までの長さ、国内か海外かで条件が違うみたい。預貯金も、使う時期の近いお金を置くという役割があったよね。
-
センパイその区別は役に立つよ。たとえば金利が上昇すると、すでに発行された固定利付債の価格は一般に下がる方向に動きやすい。発行体の信用力が下がる場合には別の影響もある。債券を持つ投資信託は、保有している債券などの評価が変わると基準価額も動くよ。
-
ユイ役割の列を作ってみたい。「企業の成長などに参加する」「一定の条件で利子を受け取る」「使う日まで金額を確保する」と書き出すと、株価のグラフだけを見ていたときより目的を比べやすいね。
-
センパイ同じ「価格変動を抑えたい」という目的でも、どの変動を抑えたいかで考え方が変わる。円で近く使うお金なのか、先のために保有するお金なのか。値動き、信用、換金、為替などを区別すると、商品の名前だけに頼らずにすむよ。
ミニ確認 債券を組み込むと、株式が下がった日の全体の評価額は必ず上がる?
そのようには決まりません。各資産の値動きと保有額の両方が全体の評価額に反映されます。
同じ方向に動きやすいかを確かめる
-
ユイ違う資産を買っても同時に下がることがあると聞いたよ。でも、二つの値動きが似ているかどうかを、初心者がどう見たらいいんだろう。グラフの線を眺めると、なんとなく似ている気も違う気もする。
-
センパイまず同じ期間の変化率を並べよう。Aは1月に+5%、2月に−3%、3月に+2%。Bが順に+4%、−2%、+1%なら、この三か月では向きが一致する。Cが−1%、+2%、+1%なら、Aと向きの違う月がある。少しの観察から始めるとわかりやすい。
-
ケングラフの背が低い方が静かな商品かと思ったよ。値段の桁が違うだけかもしれないな。
-
ユイ月末の価格そのものを比べると、1,000円の商品と1万円の商品では線の高さが違いすぎるよね。変化率なら単位を揃えられる。それに、配当を入れた数字と入れない数字を混ぜると、比較にズレが出そう。
-
センパイ期間、通貨、配当や分配金の扱いがそろっているかを確かめよう。値動きの関係を数値で捉える方法に相関があるけれど、関係は期間や環境で変わる。穏やかな相場で別々に動いていたものが、相場の急変時にそろって下がることもある。
-
ジム私なら三か月分だけでも、各月の上向きと下向きに印をつける。似て見える線より比較の手がかりになる。
-
ユイ三か月だけで未来の関係を決めるのは危ないね。私なら、普段の期間と、みんなが売り急いだ期間を分けて見てみたい。前の動きが続かなかったとき、自分の持ち方にどう響くかも計算できそう。
-
センパイ数字は、起きたことを振り返って仮説を立てる道具だよ。特に下落時の動きを見たいなら、上昇と下落を混ぜた平均値だけでは見えない違いがある。自分のノートには「どの時期の何と何を比べたか」を残しておこう。
ミニ確認 AとBがここ半年、違う方向に動くことが多かった。今後も毎月そうなる?
確かめられたのはその期間の関係です。市場の環境が変われば両方が下がる月もありえます。複数の条件を置いて全体の影響を考えます。
積立で分けているのは、買う日
-
ユイわかった。カゴの中身を分ける話と、買う日を分ける話は別なんだね。毎月同じ商品を買う積立だと、値段が違う日は買える量も変わる?
-
ケン毎月同じ金額なら、同じ口数が届く定期便みたいなもんだと思ってた。
-
センパイそう。定額の積立なら、同じ金額で価格が低いときは多く、価格が高いときは少なく買うことになる。購入時期を分けると一日にまとめて買ったときとは結果が変わるけれど、利益が出るとは限らない。
-
ジム買った日と、その日に買えた口数の両方に印を。安く買えた回があっても、最後の値段は別の数字だね。
-
ユイ値段が下がり続けたら、安く買った回があっても、売るときの値段次第で損になるんだ。長く持つだけで途中の下落が消えるわけでもないね。
-
センパイうん。必要な日に取り崩すなら、そのときの値段が効く。続ける期間や資金の目的を考えてから、資産の配分と買うタイミングを別々に点検しよう。
| いつ | 1口の価格 | その回に買えた口数 |
|---|---|---|
| 初回 | 200円 | 50口 |
| 2回目 | 100円 | 100口 |
150口を持った状態で1口120円になると、評価額は18,000円。支出の20,000円を下回ります。
ミニ確認 買う時期を分ければ、投資先の国や会社も自動で分かれる?
分かれません。同じ商品を買い続けるなら、中身の分散はその商品の構成で決まります。
積立中に価格が下がり続けた例
-
ケン値下がりした月に多く買えるんだろ。だったら下がり続ける方が得かと思ったんだけどな。
-
ユイ投資先を分けるほかに、買う日を分ける話もあったね。毎月同じ金額で買うと、価格が下がった月はたくさん買えると聞いたよ。安い月に買えるなら、最初から全額を一度に買う場合と何が違うんだろう。
-
センパイ説明用に1口の価格が100円、50円、100円と動く三か月を考えよう。毎月1,000円なら10口、20口、10口を買い、合計40口。使った3,000円を40口で割ると平均取得単価は75円だ。最初の月に3,000円で一度に買えば30口で、単価は100円だね。
-
ユイ安く買えた月に口数が増えたぶん、同じ予算で40口になったのか。最後の月の値段が100円なら評価額は4,000円。反対に、2か月目に価格が上がっていたら、同じ金額で買える量は減るね。
-
センパイ値動きの経路が違えば結果も違う。100円、125円、200円と上がる例なら、毎月1,000円は10口、8口、5口で23口。最初にまとめて買った30口のほうが口数は多い。この単純な例では、一括投資と積立の有利不利が経路によって変わると確認できる。
-
ジム途中で増えたのは口数、最後に見るのは評価額。回復した場合としなかった場合を、別々に計算しよう。
-
ユイ積立なら利益が出る、という話ではなく、毎回の買い時を一日に集中させない考え方なのか。毎月同じ額でも、商品そのものが同じなら会社や地域への偏りは残るよね。時間を分けるのと投資先を分けるのは別の工夫だ。
-
センパイそのとおり。積立を考えるときは、月ごとの家計から無理のない金額を把握し、価格が下がる時期もありうることを見込む。使う時期が近づいたときに、売却の時期や必要額をどう考えるかも、買い方とは別に検討できるよ。
ミニ確認 毎月定額で買う積立をすると、投資先の会社や国も自動で分散される?
買う日が複数になります。会社や国の分散の広さは、買っている商品そのものの投資先で決まります。

長く持つことと途中の下落を切り分ける
-
ユイ長く持つと値動きがならされるという説明を見たよ。それなら値下がりが続いても、時間さえかければ最後には戻ると理解していいのかな。先のことを考えるほど、何を根拠に判断すればよいか難しく感じる。
-
ケン時間をかければ絶対戻るなら、俺ならノートを閉じて待ちたくなるな。
-
センパイ保有する期間が長いと、収益を再投資した場合の複利の影響を受ける時間も長くなる。一方、投資先の企業や市場が回復しない場合や、必要な時期に価格が下がっている場合はある。期間を長くすることは、損失が消える約束にはならないよ。
-
ジム「買値まで戻った」と言うには何%必要か、先に舞台袖で計算しよう。二割安の後は出発点が変わっている。
-
ユイ最初に2割下がって、その後に2割上がったら元に戻るのかな。計算は同じ2割ずつに見えるけど、上がるときの基準額はもう小さくなっている。最初の値段に戻るのに必要な上昇率も変わるよね。
-
センパイそう。10万円が20%下がると8万円。そこから20%上がると9万6,000円だ。8万円から10万円に戻るには2万円の増加、8万円の25%が必要になる。同じ率を足し引きするだけでは、複数の期間の結果を出せないんだ。
-
ユイ投資を長く続けた場合の想定表を見るときは、毎年同じ率で増える仮定なのか、途中の増減も入れた例なのかを確かめたいな。自分のお金を途中で使う予定があると、最終年だけの数字では足りないね。
-
センパイ途中の取り崩しがあれば、同じ二つの上昇・下落でも順番が結果に影響する場合がある。投資を追加する時期や、必要な額を取り出す時期も書いてみよう。最終年の評価だけに目を向けるより、途中の家計への影響がわかりやすいよ。
ミニ確認 元の額から50%下がった後、元の額に戻るには何%上がる必要がある?
下がった後は元の半分です。そこから元の額に戻るには、残った額と同じだけ増える必要があるため、100%の上昇が必要です。
悪い日の組み合わせを練習する
-
ユイ普通の日の値動きだけではなく、困る日に何が起こるかを見たいな。試しに三枚のカードを作るよ。会社一社の問題、世界の株が下がる日、そして円高で海外資産の円換算額が減る日。数字は予想に使うの?
-
ケンいつもは一枚ずつ引くカードを、今日は二枚同時に出すのか。どっちも悪いと、穴を埋めてくれる方がいないな。
-
センパイ数字は将来を当てるためというより、影響の大きさを話すための練習だよ。たとえば国内株40%、海外株40%、現金20%を置くと、国内株だけが25%下がる条件では、全体は10%下がる。海外株だけが25%下がっても同じ計算だね。
-
ユイ両方が25%下がると、全体は20%下がる。片方が支えてくれる前提で考えると、両方が下がる日の影響を見落とすね。円高も一緒に起こると、海外株は現地の価格だけで考えた数字とズレそう。
-
センパイ海外株が現地通貨で20%下がり、その通貨の対円価値も10%下がると、円換算では0.8×0.9=0.72で28%減る例だね。海外株が全体の40%なら、その部分だけで全体を11.2%押し下げる。率を二つ足すと、この例とは違う数字になる。
-
ジム予想の勝負はしない。試した条件と差額だけを残せば、何が重なった日に資金が足りなくなるか読める。
-
ユイ同じ「世界の株が下がる」という話でも、何を条件に置いたかで答えが変わるね。表には、現地株価、為替、円換算、全体への影響を別に書く。数字が大きく見えて焦ったら、最初に決めた使う時期も確かめたいな。
-
センパイさらに、換金しにくい場合や、複数の資産の値動きが同時に悪化する条件も想像できるよ。ここで置く割合は例で、人によって変わる。三枚のカードを作って、耐えにくい結果とその理由を知ることが練習の目的だ。
ミニ確認 株価が20%下がり、通貨の円換算値が10%下がるという条件の例で、円換算額は何%下がる?
残る割合は80%×90%=72%なので、28%下がります。初めの株価とレートを基準とした単純な計算です。
分散を一枚のノートで点検する
-
ユイ分散したあとも、値上がりした資産の割合が増えるのよね。最初の配分が正しいと決めつけずに、何を見直せばいい?
-
センパイ目的と使う時期、いまの配分、投資先の共通点を一枚に書こう。増えた割合を戻す場合、売買すれば手数料や税の影響があり、追加資金の配分を変える方法もある。最初の割合が今の目的に合うかも先に確認しよう。
-
ケン株が増えてたから、買い足したかと思ったぞ。残高の値段だけで割合が変わるんだな。
-
ユイノートには『何本持つか』より『同じ日に下がる理由は何か』を書くことにする。国や資産の名前だけ違っても、同じ要因で動くことがあるから。
-
ジムでは最初の割合と現在の割合の間に、目的は今も同じかという問いを置こう。戻す手段は、その後に比べる。
-
センパイその調べ方なら商品をむやみに増やさず、どのリスクを減らしたいかを言葉にできるね。配分を定期的に確認する日を決め、生活資金と投資資金の境目も見直そう。
ミニ確認 分散を見直すとき、最初に何を並べればよい?
使う時期、資産の配分、投資先の共通点をそろえると、変更の目的を考えやすくなります。
売買する場合と追加資金で整える場合
-
ユイ株式と債券を6対4にした表を持っていたのに、数か月後に見たら株式のほうが多くなっていたよ。私は途中で買い足していないのに、価格が動くだけで、お金の置かれ方まで変わるのは面白いね。
-
ケン六対四の札を貼ったままでも、中身が動けば中の比率は変わるんだな。札より残高を先に見よう。
-
センパイ最初に株式6万円と債券4万円を持ち、株式だけが25%上がると、株式7万5,000円、債券4万円になる。全体11万5,000円のうち株式の割合は約65.2%。60%から動いたね。残高は増えても、次の株価下落の影響をより大きく受ける状態になっている。
-
ユイ配分を元の6対4に近づける作業をリバランスと呼ぶんだね。今の株式を売って債券を買う方法だけを想像したけど、これから入れるお金を、少ない側に寄せる方法でも近づくかな。
-
センパイどちらも考え方としては使える。売買を伴うと、手数料や課税口座での税金、換金にかかる日数などの確認が要る。追加資金を使う方法なら保有商品を売らずに近づけられる一方、金額や期間によってはすぐに目標比率に届かないよ。
-
ジム売って動かす場合と、これから入れるお金で近づける場合。同じ配分を目指しても、取引の数や費用の確認が違うね。
-
ユイぴったりの数字に毎日戻す必要があるのかも考えたい。相場が動くたびに売ったり買ったりすると、費用だけでなく確認の時間もかかる。目標を決めた理由が変わったのか、値段が動いただけなのかで、見るものも違いそう。
-
センパイ点検する時期や、どの程度の差を記録するかを先に決める考え方もある。大切なのは、元の配分が今の予定に合っているかという問い。使う時期や必要額に変更があれば、目標そのものの点検から始めよう。
ミニ確認 保有額が増えた商品があると、追加購入がなくても全体の配分は変わる?
変わります。他の資産と違う割合で値上がり・値下がりすると、その商品の全体に占める割合も変わります。
増やす本数と管理の負担を比べる
-
ケン商品が増えると立派に見えるけど、似た調味料を何本も仕入れた時みたいに、どれが何用か分からなくなるな。
-
ユイいろいろな条件を考えるほど商品を増やしたくなるけれど、何本も管理するのは大変そう。中身が違えば分ける理由があって、似ているものが多いと、そのわりに確認する書類だけが増えるかもしれないね。
-
センパイ判断に使う情報が増えるぶん、費用や記録も点検しよう。たとえば二つの商品で同じ指数への連動を目指しているなら、中身が大きく重なる場合がある。そのときに増えるのは投資先の違いだけなのか、比較の手間や費用の違いもあるのかを調べられるよ。
-
ユイ銘柄数や資産の種類の列に加えて、購入時、持つ間、換金時の費用の欄も置きたい。配分を点検しようとしても、商品名が似ていて違いを説明できないなら、まず自分で見分けられるようにするのが先だね。
-
センパイ商品の管理を運用会社に任せて一つの商品で複数資産に投資する方法もあれば、資産ごとに商品を分けて保有比率を自分で把握する方法もある。前者は商品側の配分方針を読み、後者は自分で配分を記録する。どちらの負担が小さいかは、目的や商品の条件で違う。

-
ジム私なら二本の指数と中身を並べ、増えた確認作業も書く。増えた本数のぶん違いがあるか見えるよ。
-
ユイ一つの商品でも複数の市場に分けるものがあるし、たくさんの商品でも似た市場ばかりのときがある。保有数から出発するより、「どの市場と通貨に何割か」を一枚に写してから考えるほうがわかりやすいね。
-
センパイ見直しを続けられる記録にしておこう。商品を増やすなら、一行で加える理由を書けるか試す。資料を開けない、費用を説明できない、換金条件がわからない、といった点はメモにして、次の確認先を明確にしよう。
ミニ確認 商品を一つ増やす前に、自分のノートに何を書けると重複を見つけやすい?
今の投資先との違いと、新たに加わる資産・地域・リスクを書きます。資料にない情報は未確認と記録します。
ユイの分散ノートを一枚にまとめる
-
ユイここまでの計算を覚え切れるか心配だったけれど、ノートを見返したら、最初にお金の使い道を書き、次に全体を100%にして中身を記録していたね。次に見るのは、同時に下がる理由があるかどうかだった。
-
センパイその順で使えるよ。第一欄は使う予定日と必要額。第二欄は商品名と金額。第三欄は中身の資産、地域、上位の組入先、通貨。第四欄は確認日と出典。最後に、心配な組み合わせを二、三通り書いて、全体への影響を円で計算してみよう。
-
ケン俺は買いたい物から書き始めてたけど、ノートの一行目は支払い日と金額だな。カゴを決めるのはその後か。
-
ユイ資料の日付が異なる場合はそのまま書くね。最新のものが揃っていないときに、無理に正確そうな数字を出すと危ない。値下がりのケースと、売却時に費用がかかるケースも、別に確認したほうが良さそう。
-
センパイあとで見直すために、「何が変わったら再確認するか」もあるといい。引越しや進学で支払いが増える、商品が投資先を変更する、配分が価格変動で動く、といったきっかけだね。日々のニュースのたびに結論を変える必要はない。
-
ジム最後に誰かへ一分で説明してみよう。今日の配分と、同じ日に下がりそうな理由が言えれば、次に見る資料も分かる。
-
ユイ最初のカゴの話に戻ると、私はカゴを増やすことばかり考えていた。でも今日は、何を守りたいか、カゴはどんな場面で一緒に傾くか、急いで取り出す日があるかまで考えられるよ。商品の説明を自分の言葉で言い直してみたい。
-
センパイ自分の配分の理由と、まだ確認できていない点を一言ずつ説明できれば、次に何を調べるかがはっきりする。損失を予想どおりに抑えられる保証はないから、今の資料と目的の両方を点検しながら考えていこう。
ミニ確認 分散の判断に迷ったら、まず何を一枚にそろえる?
使う時期、全体に対する各資産の比率、商品を通じた投資先の重なり、共通して受けるリスクです。確認日を添えると見直しやすくなります。
投資先を分けると一部の値下がりの影響を抑えられることがある。分けた先の中身と値動きも見る。
ONE QUESTION
1問クイズ
投資先がよく似た投資信託を2本持つ場合、起こりうることはどれですか?
正解と解説
2本とも同じ時期に値下がりすることがある
投資先が重なると値動きが似る場合があります。商品数に加え、どこに投資するかを見ることが分散の確認につながります。
出典・参考資料
- 金融庁「資産形成の基本」
- 米国SEC・Investor.gov「Asset Allocation and Diversification」
- J-FLEC・日本証券業協会「債券価格と金利」
- J-FLEC「長期・積立・分散」
株式や投資信託などは価格が変動し、投資元本を下回ることがあります。